100 Best Albums
- 1977年2月4日
- 11曲
- Greatest Hits · 1987年
- Greatest Hits · 1977年
- Fleetwood Mac (Deluxe) · 1975年
- Rumours · 1977年
- Tango in the Night (2017 Remaster) [Deluxe Edition] · 1987年
- Rumours · 2013年
- Greatest Hits · 1975年
- Greatest Hits · 1982年
- Greatest Hits · 1976年
- Greatest Hits · 1987年
必聴アルバム
- 商業的にも大成功を収めた「Fleetwood Mac」、「Rumours」に続く本作は、当時2枚組という大ボリュームでリリースされた。リンジー・バッキンガムによるさまざまな試みがなされた作品で、同時にクリスティン・マクヴィー、スティーヴィー・ニックスらメンバー個々の創造性を発揮できる場としても機能した、バラエティ豊かな仕上がりである。"Think About Me"、"Sara"などクリスティンとスティーヴィーが手掛けた楽曲は、これぞマックと言えるような軽快で温もりのあるナンバー。実験的なタイトル曲を筆頭に"What Makes You Think You’re the One"のようなナンバーでは、ポストパンク/ニューウェーブからの影響がうかがえる。円熟と革新が同居する、黄金期のマックを象徴する大作。
- 世界中で大ヒットを記録し、今なお多くの人々に愛され続けるアルバム。その背景には、複雑なバンド内ドラマがあった。もともとはブリティッシュ・ブルースバンドとしてスタートしたものの、主要メンバーの交代が相次ぎ、残された3人であるミック・フリートウッド(Dr)、ジョン・マクヴィー(B)、その妻でもあるクリスティン・マクヴィー(Key/Vo)は、グループ復活のために渡米。ロサンゼルスで出会ったリンジー・バッキンガム(G/Vo)とスティーヴィー・ニックス(Vo)を加入させ、再出発を果たす。新たなラインナップで完成させたアルバム『Fleetwood Mac』は、見事に全米1位を獲得した。しかし、それに続くアルバムの制作段階では、ジョンとクリスティン、リンジーとスティーヴィーの両カップルとも関係性は終焉を迎え(ミックも同時期に離婚)、プライベートでの人間関係は破綻してしまう。そんな状況下で、メンバーたちは個人的な感情を乗り越え、本作を完成させた。そして『Rumours』は、発売後1か月で1,000万枚以上を売り上げる成功作となる。 この時期のフリートウッド・マックは、イーグルスやリンダ・ロンシュタットなどのウエストコースト・サウンドと、ボストンやフォリナーといったロックバンドの中間に位置する存在と言えるだろう。シンガーソングライターのソフトな音楽性を組み合わせた耳なじみのいいロックミュージックが大きな支持を得て、巨大なセールスを記録した時代だった。そうした流れの中でも『Rumours』は、リアルな人間関係からにじみ出た、ヴィヴィッドな感情の機微を内包しているところが、大勢のリスナーの心をつかんだのだろう。
- 1975年
- 2003年
- 2018年
- 2018年
アーティストプレイリスト
- 魅力的な楽曲とツインボーカルで、ロックの殿堂入りも果たした世界的なバンド。
- 魅惑のボイスとアンニュイな歌声で、ファンを魅了する歌姫の楽曲を堪能する。
- イギリスの重鎮バンドのキーボーディストとして多くの名曲を生み出した才女。
- 爽やかなギターサウンドが印象的な、洗練された楽曲の数々を堪能しよう。
- 世代を超えて、さまざまな音楽スタイルに広がるインスピレーション。
ライブアルバム
- 2023年
- 2004年
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フリートウッド・マックについて
バンドにとって緊張関係は強いモチベーションになり得るが、フリートウッド・マックほどその格言を体現したグループは他にいない。1960年代ブリティッシュ・ブルースロックバンドとして始まった彼らは、度重なるメンバーチェンジや音楽性の変化、そして複雑なバンド内のロマンスを経て、1970年代カリフォルニアポップの手本となった。1967年にロンドンで結成されて以来、ドラマーのミック・フリートウッドとベーシストのジョン・マクヴィーはリズム隊としてバンドを支えただけでなく、もう一つの役割も果たしていた。「Black Magic Woman」(サンタナによるカバーが有名)や穏やかなインストゥルメンタル曲「Albatross」(ビートルズが『Abbey Road』収録の「Sun King」でまねをしたと公言)などの初期のヒット曲制作に貢献した新進の神業ギタリスト、ピーター・グリーンをはじめとする並外れた個性のミュージシャンが次々と入れ替わるバンドを、2人は精神的に支えたのだった。1970年にグリーンが脱退した後、バンドはダニー・カーワンやボブ・ウェルチなど、メンバーの交代を繰り返し、その間にキーボーディストでマクヴィーの妻でもあるクリスティーンがボーカルとして加わるようになった。ロサンゼルスに拠点を移した後、ボーカルやソングライティングも手掛けるリンジー・バッキンガムと、彼の音楽と恋愛におけるパートナーのスティーヴィー・ニックスが加入。1975年にセルフタイトルアルバム『Fleetwood Mac』をリリースし、ソフトロックのヒットメイカーへと転身を遂げた。「Rhiannon」「Landslide」でのニックスのメインボーカルは、バンドの爽やかなサウンドの核心に宿るダークな神秘性を明らかにした。突然もたらされた成功によってバンド内の長年にわたる人間関係が崩壊していく中、彼らの次の作品は実質的にカップルセラピーとしてのロックアルバムという新しいジャンルを生み出すことになる。1977年の『Rumours』で、フリートウッド・マックはこれ以上ないほど辛辣(しんらつ)な失恋ソングを最高にスムーズでセクシーなアレンジメントで飾り立て、4,000万枚を超えるセールスを記録した。このアルバムの魅力は、コートニー・ラブが影響を受けた作品に挙げると同時に、ビル・クリントンの大統領選挙キャンペーンのサウンドトラックとして使われたこともあるほど普遍的なものだ。しかしバンドはポップスターの型にはまろうとせず、1979年の当時2枚組の大作『Tusk』はリンジー・バッキンガムのポストパンク志向が露呈したアルバムになり、当時は商業的には失敗作と見なされたものの、耳の肥えたインディーロッカーの間ではカルト的名作として愛されてきた。そして1980年代にはより簡素化された『Mirage』や『Tango in the Night』などの作品で堂々たるポップ性が再び表に出たが、フリートウッド・マックから事件やバンド内のもめごとがなくなることはなく、はた目からは何の前触れもなく主要なメンバーが入れ替わる状況が続いた。2018年にバッキンガムが脱退すると、クラウデッド・ハウスのシンガーのニール・フィンと、トム・ペティのバンドメンバーだったマイク・キャンベルが加入した。2人の大物ミュージシャンを後任に迎えたことは、フリートウッド・マックが数々のヒット曲をリリースし、別れを重ねた50年を経てもなお、明日に目を向けるのをやめるつもりはないことを証明している。
- 出身地
- London, England
- 結成
- 1967年7月
- ジャンル
- ロック