追悼

- 23曲
必聴アルバム
- 歴史的な名作と評価される「Voodoo」から14年の歳月を経て復活したD'Angelo。突如リリースされた途端にアメリカのR&Bアルバムチャート1位に上り詰めたほど、大勢が待ち望んでいたサードアルバム。制作には、ザ・ルーツのQuestloveやジャズアーティストのロイ・ハーグローヴなど強力な僚友に加え、ドラムにクリス・デイヴ、ギターにIsaiah Sharkeyなどを新たに起用。録音にはすべてビンテージ機材が用いられ、アナログ的な手法で作られており、音楽家として生音への敬意を示している。ファンクやアフロビートの荒いグルーヴが随所に詰め込まれた本作は、アメリカや中東で起きた人権問題や抗議運動をとらえた政治的メッセージも伝わってくる、現代のブラックコンテンポラリーミュージックだ。
- 世紀の変わり目であり、デビュー作『Brown Sugar』から5年後となる2000年、ディアンジェロはアルバム『Voodoo』をリリースした。恐るべき2作目のジンクスを跳ね返し、彼が過去に敬意を払いながら自分のやりたいことをやってのけるミュージシャンへと進化したことが瞬時に明らかになる傑作だ。当時、より派手なエッジのあった1990年代ヒップホップとR&Bに取って代わったのがネオソウルのムーブメントであり、『Voodoo』はブラックコミュニティが生み出してきたブルース、ジャズ、ソウル、ファンクに加え、ゴスペルさえも取り入れて、絶望からエクスタシーまで人間のあらゆる情感をちりばめ、その頂点に立つアルバムになった。 このアルバムに込められたグルーヴには、6分を超える曲においても、そして長い曲では特に、聴き手をのみ込んでしまうほどの深みがある。例えば最も有名なシングルで、誘惑にも似たゆったりとしたテンポの「Untitled (How Does It Feel)」や、ロバータ・フラックの「Feel Like Makin’ Love」のカバーを聴くと、それぞれの曲が共同作業によって作り上げられたことが分かる。ディアンジェロの極上ファルセットに負けず劣らず、サウンドを構成する楽器もまた重要な仕事をしているのだ。前作『Brown Sugar』を管理された野焼きに例えるとしたら、『Voodoo』は実験から起こった山火事であり、自由な即興演奏と入念にリハーサルを重ねた天才の正確さを見事に両立させている。
- その後のニュークラシックソウルからネオソウルムーブメントの発火点となったディアンジェロの登場とその音楽性は実に衝撃的だった。それを象徴するのがア・トライブ・コールド・クエストのアリ・シャヒード・モハマッドとのプロデュースによる表題曲。トラックに歌を乗せただけの、いわゆるヒップホップR&Bとは一線を画す独自のループ感を持ったスモーキーなサウンドやブルース調のつぶやくような語り口、マービン・ゲイ的な多重コーラスを駆使したサウンドは、1990年代当時ヒップホップ解釈による"ニューソウル"を強く印象付けた。ラファエル・サディークが手掛けたスロウジャム"Lady"を筆頭にレイドバックした楽曲が並ぶが、唱法も含めてプリンスからの音楽的影響がうかがえるのも興味深い。
アルバム
アーティストプレイリスト
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ディアンジェロについて
- 出身地
- Richmond, VA, United States
- 生年月日
- 1974年2月11日
- ジャンル
- R&B/ソウル