- The Definitive Collection · 2002年
- シング (オリジナル・サウンドトラック) · 2016年
- Songs In The Key Of Life · 1976年
- Songs In The Key Of Life · 1976年
- Talking Book · 1972年
- In Square Circle · 1985年
- Talking Book · 1972年
- For Once in My Life · 1968年
- In Square Circle · 1985年
- My Cherie Amour · 1969年
- Songs In The Key Of Life · 1976年
- The Definitive Collection · 1985年
- Signed Sealed and Delivered · 1970年
必聴アルバム
- 前作『Fulfillingness' First Finale』をもって名高い3部作に一区切りをつけたスティーヴィー・ワンダーが、あらためて世に問うた滋味豊かな大作アルバム。“人生というキーの曲たち”というタイトルに偽りなく、ゴスペル調のコーラスを背におごそかに幕を切って落とす「ある愛の伝説」でのオープニングから、優美な室内楽アレンジをストリングス調のキーボードに溶かした「ビレッジ・ゲットー・ランド」、スリリングなジャズロック「負傷(コンチュージョン)」。はたまたシングルカットされたヒット曲「愛するデューク」や「可愛いアイシャ」の人懐こい響き、「孤独という名の恋人」の歌心。そして、クーリオのヒット曲「Gangsta’s Paradise」のサンプリングソースとなったことでもおなじみの「楽園の彼方へ」、たおやかなハープで紡がれた「イフ・イッツ・マジック」など、そのソングライティングの多彩さに舌を巻き、さらにはハービー・ハンコックやジョージ・ベンソン、マイケル・センベロ、デニース・ウィリアムスやMinnie Ripertonら、そうそうたるトッププレイヤーが多数参加して織り上げられた本作はまさに録音芸術の粋を極めるかのよう。『Talking Book』『Innervisions』『Fulfillingness' First Finale』での試行錯誤をさらなる高みに持ち上げた集大成アルバムといえよう。
- クリエイティビティとポップセンス、そして社会性のバランスが奇跡的に結びついた傑作中の傑作。前作『Talking Book』に残っていたスタンダードなソウルミュージックの意匠は控えめに、次作『Fulfillingness' First Finale』を経て『Songs In The Key Of Life』で花開く、プログレッシブかつアグレッシブな作風への橋渡しとなるアルバム。前作同様、プログラマー/エンジニアのMalcolm CecilとRobert Margouleffの2人を共同プロデュースに迎え、スティーヴィー・ワンダー1人による多重録音曲もちりばめて、恐ろしいほどの創作意欲の高さを見せつけた充実作だ。ドラッグ問題を扱ったオープニングの「トゥー・ハイ」をはじめとして全体的にメッセージ色の強いシリアスなテーマを扱いながら、「ハイアー・グラウンド」やヘヴィなファンクリズムの中、霧が晴れるようなシンセサイザーの間奏が印象に残る「汚れた街」、そしてラテン調のアレンジとポジティブなスティーヴィー・ワンダー節に背中を押される「くよくよするなよ」、さらにラストには充実した聴後感をリスナーに与える「いつわり」といった粒ぞろいの曲に舌鼓を打つ。
- 弱冠22歳にして15作目、一人の天才少年からシリアスなアーティストへと脱皮した最初の到達点として名高い傑作。なんといってもBeck, Bogert & Appiceへの提供曲「迷信」と「サンシャイン・オブ・マイ・ライフ」の全米チャート1位に輝いた2曲が知られているが、浮き立つような「チューズデイ・ハートブレイク」などその他も佳曲ぞろい。ジェフ・ベック、デヴィッド・サンボーンやレイ・パーカー・ジュニアらの豪華なゲストミュージシャンのみならず、スティービー・ワンダー本人の手による多彩なキーボードワークに耳を凝らしてみれば、「サンシャイン・オブ・マイ・ライフ」や「アナザー・ピュア・ラヴ」での揺れるローズピアノ、感動的なバラード「ユー・アンド・アイ」のピアノとシンセサイザーの組み合わせ、「メイビー・ユア・ベイビー」のモーグ・シンセサイザーによるベースラインなど、1972年のリリース時におけるシンセサイザーの革新性の一端を本作からのぞくこともできるだろう。この後も続くプログラマーのMalcolm Cecil、エンジニアのRobert Margouleffとの共同プロデュースで、自身のキャリアの絶頂期の始まりを告げる重要作品。
- 1972年
- 「トーキング・ブック」、「Innervisions」と並ぶ、いわゆる3部作の最後を飾る作品。各アルバムはどれも甲乙付けがたい内容だが、交通事故で瀕死の重傷を負い、生死をさまようという大きな体験を経て発表された本作は思いのほか穏やかな印象だ。多様な音楽性が展開されるその代表作が"Boogie On Reggae Woman"と"Bird of Beauty"の2曲。前者はレゲエを後者はブラジル音楽を取り入れている。ジャクソン 5 がコーラスで参加したファンクナンバー"You Haven't Done Nothin'"などのヒット曲に加え、"Smile Please"、"Creepin'"、"It Ain't No Use"といった楽曲の持つリラクゼーションに富んだ空気感にも癒やされる。
- 2005年
- 1995年
- 1987年
- 1985年
- 1980年
ミュージックビデオ
- 2022年
アーティストプレイリスト
- ポピュラーシーンをけん引し続ける世界的シンガーソングライターの巨匠。
- 天使のような唯一無二のボーカルが歌い上げる、ソウルフルな愛の世界。
- ジャンルを超え、世界中のアーティストに影響を与え続けるソウルフルヴォイス。その感性はまさにアート。
- ソウルミュージックの新たな表現を切り開いてきた多彩なアプローチ。
- 天才ソウルアーティストの根幹を成すルーツ音楽のバックグラウンドを掘り下げる。
シングル&EP
- 2020年
- 2005年
ライブアルバム
- 1995年
- 1970年
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スティーヴィー・ワンダーについて
情熱的なシンガーであり、驚異的なマルチミュージシャンでもある、先見の明を持つプロデューサーのスティーヴィー・ワンダー。彼は、ポップミュージックの歴史において絶大な影響力を持つ存在だ。目の見えない状態でその地位を獲得したことは驚くべき点だが、それは彼を語る上ではほんの序の口にすぎない。1950年、ミシガン州サギノーにスティーヴランド・ハーダウェイ・ジャドキンズとして生まれた彼は、1960年代初期に若きスターとして登場し、リトル・スティーヴィー・ワンダーという名前でレイ・チャールズのスタンダード曲をカバーしていた。そして1960年代末にはカバーを卒業し、「For Once in My Life」などのモータウンを代表するような洗練されたソウルナンバーの数々を演奏するようになる。こうした流れは、後にジャスティン・ティンバーレイクやジャスティン・ビーバーといった未来のティーンアイドルたちにも、ポップの新星が成し遂げた華麗な転身を示した。1970年代初頭、“ブラックパワー”の政治観がカルチャーに浸透するにつれ、スティーヴィーはその運動の正当な憤りと、より公正な社会に向けた希望の両方を象徴する存在となった。そして1972年の『Talking Book』から1976年の『Songs In The Key Of Life』まで、今でも語り継がれる名作を次々とリリース。その活躍は、それまで確かな実力を備えていながら不当にシングルのリリースのみに追いやられていた多くの黒人のソウル/R&Bポップアーティストたちに、アルバムリリースへの道筋をもたらした。スティーヴィーはこれらアルバムの中で、声を上げることと、肩の力を抜くことは相反する観念ではないと示し、「Higher Ground」のような生々しい曲の数々に高揚感を注入してサイケデリックファンクという独自のスタイルを作り上げた。そして作品の大半を自ら作曲、パフォーマンス、プロデュースすることで、プリンスのようなファンクの先駆者となり、また、カニエ・ウェストのようなラップアイコンに敬愛されるマルチなアーティストの手本となった。こうした多産な実験期においてもスティーヴィーは作品を発表し続け、「You Are the Sunshine of My Life」や「Isn’t She Lovely」といった結婚式でのスローダンスの定番曲を生み出した。1980年代に突入すると、今度は時代の波にも乗って、シンセサイザーを織り込んだソウル曲「Part-Time Lover」や、切ないアダルトコンテンポラリー・セレナーデ「I Just Called to Say I Love You」を発表。1990年代以降はリリースのペースも落ち着いたが、依然としてポップシーンに欠かせないアーティストであり続けている。2009年のバラク・オバマ大統領の就任式で披露した歌声にしろ、2015年のマーク・ロンソンのヒットアルバム『Uptown Special』で聴かせたハーモニカにしろ、スティーヴィー・ワンダーの存在は祝福のような気高さと厳粛さを感じさせる。
- 出身地
- Saginaw, MI, United States
- 生年月日
- 1950年5月13日
- ジャンル
- R&B/ソウル