100 Best Albums
- 1990年9月3日
- 10曲
- Make It Big · 1984年
- Faith (2010 Remastered) · 1987年
- Ladies & Gentlemen · 1984年
- Listen Without Prejudice / MTV Unplugged (Deluxe Edition) · 1990年
- Faith (2010 Remastered) · 1987年
- Older · 1996年
- Faith (2010 Remastered) · 1987年
- Older · 1996年
- Ladies & Gentlemen · 1987年
- Music from the Edge of Heaven · 1986年
必聴アルバム
- 完璧なソロデビュー作『Faith』でソングライティングの深み、幅広さ、成熟度を証明したジョージ・マイケルは、このセカンドアルバム『Listen Without Prejudice』で大胆にギアチェンジしたように感じられる。確かに、ここには「Freedom! '90」が収録されている。ミュージックビデオが台頭しつつあった時代と、前作で自分が風刺画のようにパブリックな存在になりかけていたことに対する自身の葛藤を巧みに織り込んだ、ピアノ主体の明るいシングルだ。 それにもかかわらず、本作に漂うムードは、繊細さや、政治的意識、感情的な荒廃といったものだ。木管楽器がかすかな戦場を想起させる「Mothers Pride」、エコーが亡霊のような絶望感を与え、スティーヴィー・ワンダーのカバー「They Won't Go When I Go」では背筋をゾクゾクさせる。そして「Something to Save」では、風にたなびくアコースティックギターがフォークのニュアンスを加えていく。ジョン・レノン風の壮大な「Praying for Time」で幕を開ける本作は、静かに先鋭的で、創造的進歩を刻んだ一作となった。シンセサイザー主体のかつての主流なポップスから離れ、時代を超越した深淵さ、そしてあらゆる意味で本物のソウルに触れたといっていいアーティストのサウンドがここにある。
- 人気デュオ、ワム!を離れた当時24歳のジョージ・マイケルがリリースした初のソロアルバム。"Faith"、"Father Figure"、"One More Try"、"Monkey"はすべて全米ナンバーワンを獲得。ほかにも2曲のシングルがトップ10内にチャートインし、ビッグセールスを記録するモンスターアルバムとなった。自身による単独プロデュース作であり、ワム!時代のアイドルの衣を剥ぎ取り、アーティストとしての揺るぎない評価を確立した記念碑的な作品。先行シングル"I Want Your Sex"は真実の愛を求めることの大切さをうたいつつも、そのあからさまなタイトルや歌詞によってセンセーショナルな話題を呼んだ。白人アーティストのアルバムが、R&Bアルバムチャートで首位を獲得した初の作品でもある。
アルバム
アーティストプレイリスト
- セクシーな歌声が魅力のスーパースター。ブラックミュージックのテイストを取り入れた楽曲も秀逸。
- ソロ名義の作品のみならず、ワム! 時代のヒット曲もビデオで楽しもう。
ベストアルバム、その他
- 2022年
- 2006年
参加作品
- Waze & Odyssey & Tommy Theo
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ジョージ・マイケルについて
ワム!として活動していた1980年代初頭、ジョージ・マイケルは女の子たちを叫ばせるために、バドミントンのシャトルをショートパンツに差し込んだりしていた。決してその必要があったわけではない。当時の女の子たちは、ワム!が歯を磨く姿を見ただけでも叫んでいたはずだ。その呪縛は、それから何十年も続くこととなる。ソロアーティストとしてのマイケルは、遊び心がありながらも真面目で、エロティックでありながらも健全なソウルシンガーであり、その生々しいセクシュアリティが、スイートな精神を圧倒することは決してなかった。性的なシンボルとして人々をあおる一方で、彼は看護師のために無料コンサートを開催したり、ホームレスのシェルターで匿名のボランティアをしたりしたほか、偏見を捨て始めたばかりの文化の中で、LGBTQ+の人々に対する世間の認識を再構築することに貢献したゲイのアーティストでもあった。アルバム『Faith』の矛盾について問われた際には、誰かを死ぬほど愛しながら、同時に相手の服をはぎ取りたいと思うことの何が悪いのかと疑問を呈した。マイケル(本名Georgios Panayiotou)は1963年にロンドンにて、ギリシャ系キプロス人のレストラン経営者とイギリス人のダンサーの間に誕生した。子どもの頃は、派手なファッションと演劇性を、シンガーソングライターならではの率直な感情表現とブレンドした、デヴィッド・ボウイやエルトン・ジョンのようなアーティストに夢中だった。10代後半にはアンドリュー・リッジリーとワム!を結成し、ポップシーンを代表する存在に。1987年にはソロデビュー作『Faith』をリリースした。1970年代のソウルとコンテンポラリーダンスミュージックを融合したこの作品は、白人のソロアーティストによるアルバムとして初めてR&Bチャートを制した。1990年には『Listen Without Prejudice』をリリースし、1990年代を通してレコーディングとツアー活動を続行。だが、その傍らで、セックスシンボルとしてのステータスに反抗し、プロモーションビデオへの出演を拒否したことを理由に、Sony Recordsと法廷闘争を繰り広げた。最後のスタジオアルバムとなったのは、2004年にリリースされた『Patience』。マイケルは2016年のクリスマスに死去した。生前は、主に子どもやHIV/AIDSに関連する幅広い慈善活動に従事していたが、より親密な親切心の持ち主としても知られており、ウェイトレスが友人に嘆いているのを耳にして、学生ローンから解放してあげたこともあった。
- 出身地
- East Finchley, London, England
- 生年月日
- 1963年6月25日
- ジャンル
- ポップ