カリーナ・カネラキスは、ノーベル賞授賞式のコンサートとBBCプロムスのファーストナイトを指揮（それぞれ2018年と2019年に）した最初の女性である。1981年にニューヨークで生まれ、同地で育った彼女は、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団のオーケストラアカデミーでヴァイオリンを弾いているところをサイモン・ラトルに見いだされ、指揮を志すよう勧められた。2016年にゲオルク・ショルティ指揮者賞を受賞して以降は、アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリアの主要なオーケストラに客演。2019年にはオランダ放送フィルハーモニー管弦楽団から首席指揮者に任命され、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団とベルリン放送交響楽団でも首席客演指揮者を務めている。また、ストックホルムでワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』を、パリでチャイコフスキーの『エフゲニー・オネーギン』を、ブレゲンツ音楽祭でベートーヴェンの『レオノーレ（フィデリオ）』とワーグナーの『ジークフリート』を上演し、アムステルダムのコンセルトヘボウでもヤナーチェクの『利口な女狐の物語』をはじめとする多くのオペラを手掛けるなど、オペラ指揮者としても旺盛に活動している。