1989年のリリース当時、EMIはナイジェル・ケネディの驚異的なテクニックや並外れた創造への情熱、そして“悪ガキ”のイメージを生かすべく、ケネディがヴィヴァルディの『四季』を奏でた本作を、まるでポップアルバムのような手法で宣伝した。その結果、使い古されたバロックの名曲に新たな命を吹き込んだ奇才演奏家の快作は異例の大ヒットを記録し、ケネディの名声は一気に高まることとなった。このアルバムにおいて彼が特別なのは、表現の限界を野心的に押し広げてクラシック業界に衝撃を与えると同時に、新しい世代のリスナーをクラシックの世界に引き込む魔法のような魅力を放っていることだ。イギリス室内管弦楽団も好調で、エネルギーと大胆さにおいて、ケネディと拮抗している。決して色あせることのないこのアルバムは、後に続く演奏家たちにも影響を与え続けているのだ。
- ヘルムート・リリング, オレゴン・バッハ祝祭管弦楽団, ジョン・コンスタブル, サー・ネヴィル・マリナー, アカデミー室内管弦楽団, Heidelberger Sinfoniker, トーマス・ファイ, Moscow State Radio and Television Symphony Orchestra, クラウス・ペーター・ハン, モスクワ放送交響楽団, Graf Murzha, Gordon Schultz, Sebastian Silvestra, アイオナ・ブラウン, クリストフ・ポッペン & Stuttgart Bach Collegium
- ヨーロッパ室内管弦楽団 & マリエッテ・ブランケンステイン
- トーマス・ビーチャム, ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団, イルゼ・ホルヴェーク & ビーチャム・コラール・ソサエティ
- ケンブリッジ・キングス・カレッジ合唱団, フィルハーモニア管弦楽団, ボブ・チルコット & デイヴィッド・ウィルコックス
- サー・コリン・デイヴィス & ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団
- Various Artists