Violin Duos

Violin Duos

本作『Violin Duos』は、いずれもドイツ出身のヴァイオリニストであるユリア・フィッシャーとKirill Troussovによる初のデュオアルバムだが、2人は以前から何度もステージを共にしてきており、Troussovは「2人とも、一緒にアルバムを録音するというアイデアをずっと持っていました」と言う。そして実際、『Violin Duos』に収録された2曲は、どちらもコンサートで一緒に演奏したことのある作品だ。「私たちはその時にショスタコーヴィチの『5 Pieces for 2 Violins & Piano』を初めて取り上げました。広く知られている、非常に美しい曲です」とフィッシャーは言う。「プロコフィエフの『Sonata for 2 Violins』は演奏がとても難しい曲ですが、弾いていてすごく楽しいのです。ショスタコーヴィチの『5 Pieces』と組み合わせるのにも適していると思います」Troussovにとってショスタコーヴィチの『5 Pieces for 2 Violins & Piano』は“小さなおとぎ話”だという。2人のヴァイオリニストとピアニストHenri Bonamyとの演奏は、どこか気まぐれな雰囲気を漂わせながらもうっとりするほど魅力的で、詩情にあふれている。プロコフィエフのソナタは激しく、エモーショナルな楽曲で、2人はかなりの技術的困難を強いられる。「最も難しいのは、必要なときにパートナーの音にぴったりと調和して、完全に溶け合わなければいけないことです」とフィッシャーは説明する。「せめぎ合う場面もあるのですが、ある時には二つのヴァイオリンが融合することも必要になります。そのバランスを取るのが一番難しいのです」フィッシャーとTroussovはこのアルバムのハイライトとして、プロコフィエフのソナタの、鋭い音色を発しながらうねるように進んでいく第3楽章を挙げている。「私たちのどちらかがダブルストップ(2本以上の弦を同時に鳴らす奏法)をすると、もっと多くの人が演奏しているような響きになります」とフィッシャーは言う。「とても巧妙に書かれているので、いくつもの楽器が同時に演奏されているように感じられるのです」とTroussovは付け加える。Troussovは、プロコフィエフのソナタにおいて、他の楽器のサポートが無いことで二つのヴァイオリンの音が際立つことを重要視している。「この曲にはユニークなラインがあって、そこでは、お互いのダイナミクスやフレージング、モーションに反応し合わなければいけません。この作品は通常の室内楽曲よりも透明感にあふれています」

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