Verdi: Otello

ヨナス・カウフマンとアントニオ・パッパーノは2017年にコヴェント・ガーデンでカウフマンが初めてオテロを演じた時に共演し、このアルバムの制作のためにレコーディングスタジオで再結集した。スコアの隅々にまで注意を行き届かせるパッパーノは、自身が音楽監督をつとめるサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団から、情感にあふれ、雄大で、絶妙な演奏を引き出している。カウフマンによるオテロはそんなパッパーノのアプローチと見事にマッチしており、また彼独特のバリトンのような響きを持つテノールは、非常に幅広い声域が求められるこの難役を余裕を持ってこなすのに必要不可欠な一要素となっている。この両者が一体となった演奏は実に豪華なもので、およそ2週間を費やした丁寧なレコーディングから生まれたハイクオリティな音源は、聴く者に大きな喜びを与えてくれるだろう。さらにこの作品で一皮むけたDesdemona役のソプラノ歌手Federica Lombardiも心に届くパフォーマンスを披露し、バリトンのカルロス・アルバレスはIagoの内省的な陰謀家ぶりを豊かな表現力で描き出す。耳を傾ける価値が十分にある快作。

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