

2010年にYGの「Toot It and Boot It」で頭角を現して以来、Ty Dolla $ignはR&B界の“ルネサンスマン”としての地位を確立してきた。自身のソロヒットはもちろん、ミーガン・ジー・スターリオンやポスト・マローンのヒット曲への客演、数えきれないほどのソングライティング楽曲、そしてYe(カニエ・ウェスト)との2作のコラボレーションアルバムなど、この15年間で発表された数々の名曲ラップ、そしてR&B作品の多くに、彼が関わっている。4作目となるこのソロアルバム(2020年の『Featuring Ty Dolla $ign』以来となる)は、豪華なゲスト陣を迎え、あのクラシックなTy Dolla $ignらしさ、つまり、官能的な歌詞、オールドスクールな情熱、そしてウエストコーストのバウンス感を取り戻すことを目指している。 「ALL IN」ではWayne Wonderの「No Letting Go」をサンプリングし、「WHAT I WANT」ではMustardと、「SMILE BODY PRETTY FACE」ではYGといった旧友たちと再共演。そして「TYCOON$」では、ヤング・サグとリル・ベイビーをフィーチャーし、ワニ革の靴やピンクダイヤをたたえるという讃歌を実現しており、そこではE-40が「TYCOON(大物)」というタイトルの意味について曲の冒頭でこう語っている。「月に店を開くかもしれない大物/探検家のダニエル・ブーンのように/部屋の中の巨大な象のように存在感を放つ(A tycoon liable to set up shop on the moon/Explorer like Daniel Boone/The big elephant in the room.)」と。