フランスのピアニストRIOPYのセカンドアルバムは、地球温暖化に直面した人類のはかなさや将来起こりうる生存のための戦いがテーマとなっている。穏やかに波打つアルペジオから激しいクライマックスへと変化する"Tree of Light – A Call to Arms"で幕を開けるが、ここからすでに彼からの抵抗のメッセージが聴こえるかのようだ。一方で、アジアの香りを漂わせる美しい"Ukiyo"では、はかない命を持つ人間からの嘆きが聴こえてくる。悲しみに沈んだ"Peace of Mind"は、アルバムの核心ともいえる重みのある音世界を映し出す。そしてエンディングのシンフォニックな"New World”で、空高く舞い上がり息を呑むような眺望が開ける。そのサウンドからは、行動への呼びかけと希望の輝きが感じられるだろう。
- 2021年