テレビ番組などでクラシック音楽の魅力を爽やかかつ情熱的に語る“伝道師“としても知られる清塚信也によるアルバム。ジャジーな装飾音、ハーモニー、リズムを施された「Chopin Fantasy」や「亡き王女のためのChill」を聴けば、彼のアレンジャーとしての卓越したセンスと創造性を感じ取ることができるだろう。一方、「私は見る」をはじめとするミュージカル『ゴヤ -GOYA-』のための一連の楽曲や「Baby, God Bless You (transcription ver.)」などのオリジナル曲では、クラシック音楽の高い素養を背景にしながらも、普遍的な魅力を持つジャンルレスな楽曲を生み出す才能が存分に発揮されている。そして、ソロピアノではもちろん、弦楽合奏やバンドアンサンブルでの演奏においても、高い技術に裏打ちされた華やかなピアニズムがリスナーの心をつかむ。多彩な音楽性を味わえる、まさに集大成と言える快作だ。