ギャング・スターの1992年リリースのアルバム「Daily Operation」の収録曲"I'm the Man"へのゲスト参加をきっかけに、シーンに登場したニューヨーク・ブルックリン出身のラッパー、ジェルー・ザ・ダマジャ。本作は1994年に発表したデビューアルバム。1990年代のニューヨークのヒップホップサウンドを象徴するプロデューサーの一人として活躍していた、ギャング・スターのDJ Premierが全面的にプロデュースを手掛けたことでも大きな話題となった。渋い声質に確かなスキルを生かしたクールなライミングと、無駄を極限まで削ぎ落としたミニマルなビートの相性は抜群。クラシックとして人気の高い"Come Clean"をはじめ、アルバム全体を通して隙がないタイトな仕上がり。当時のニューヨークシーンならではのストイックな魅力が詰まっており、彼のみなず、DJ Premierのキャリアを語る上でも欠かすことができない重要作。