2022年のEP『25』で、自身の内面を詩的に描いたマルチクリエイターの春野。初のフルアルバムとなる本作では、引き続き繊細で奥深い物語を描いている。歌っているのは、恋愛における葛藤や喪失感、やるせない気持ち。それは個人的な体験や思いでありながら、抽象化された言葉でつづることにより、多くの人が共感する歌に昇華している。共同アレンジャーにShin Sakiura、A.G.O、Phritz、Tomgggといった気鋭のクリエイターが参加し、音楽性もさらに広がった。オルタナティブR&BやLo-Fiヒップホップ、エレクトロポップ、ジャズなど幅広いジャンルを自由に行き交いながら、心地よくスムーズなグルーヴを紡ぐ。さらにゲストボーカルの佐藤千亜妃、yamaがアンニュイな歌声で艶やかな彩りを加えている。ピアノの清らかな音色が響く「Up In The Clouds」では、彼のルーツの一つであるクラシックのエッセンスも感じられる。