The Firstfruit - The 1st Album

The Firstfruit - The 1st Album

NCTでメインラッパーを務めるMARKのソロデビュー作『The Firstfruit』は、かなりパーソナルなアルバムだ。「NCTのメンバーとして10年近く活動した後で、こうして自分だけの声と、自分だけのアイデアで、自分だけをテーマにしたソロアルバムをリリースできることをとても光栄に思います」と、MARKはApple Music 1での自身のラジオ番組、on your MARKのリスナーに語った。『The Firstfruit』は、K-Popアーティストの彼が故郷と呼んできたトロント、ニューヨーク、バンクーバー、ソウルの4都市に基づいたセクションに大まかに分かれ、アルバムがリリースされる2025年までにMARKがたどってきた人生の物語がつづられている。 全13曲を集めたアルバムのスタート地点は、彼が生まれ、幼年時代を過ごしたトロントだ。アコースティックギターに語りを乗せたオープニング曲「Toronto’s Window」で、MARKは「自分が具体的に夢を描けるなんて思いもしなかったんだ/ずっと思ってきた/僕がやるべきことは信心深くあること、それだけだって(I never thought that I could dream in detail, you know?/Always thought that/All I really had to do was to just be faithful and that’s it.)」と、これから始まる物語の背景を語る。彼の信仰心はアルバム全体を貫くテーマだ。「クリスチャンの家庭で生まれ育った僕は、いつもゴスペルミュージックを聴いていました」とMARKはApple Musicに振り返る。そして教会で母親が演奏するピアノの下で眠っていた頃のことが思い出としてよみがえる。アルバムタイトルの『The Firstfruit』は初のメジャーソロ作品であることに由来しているが、本質的に聖書を思わせるところもある。「聖書では、最初の実りが最も重要だと考えられていて、最も大きな意味を持ちます」とMARKは説明する。 ポップファンクにファルセットを織り交ぜた、アルバムのリードシングル「1999」。曲のタイトルはMARKが生まれた年にちなんだものだが、ソロアーティストとしての再生を感じさせるものでもある。「この曲の作詞は、本当にすごく難しかったです。5回は書き直したと思います」と彼は言う。「生まれ変わる気持ち、再生のテーマにフォーカスしています。文字通りに受け取ることもできますが、実際は比喩的に、新しい解釈ができるようになったことを歌っているんです」。小学生でトロントからニューヨークへ移住したMARKが、その時の気持ちを音楽で再現したのがアンビエントなスキットトラックの「Flight to NYC」だ。そして「Righteous」と、Lee Young Jiとラップでコラボレートした「Fraktsiya」へと続き、ニューヨークのチャプターを締めくくる。 アルバムは中盤、「Raincouver」「Loser」「Watching TV (feat. Crush)」で、MARKの物語の焦点をバンクーバーへと移す。「僕の心の中で、故郷だと一番強く感じるのはバンクーバーだと思います」と彼は言う。センチメンタルでイージーリスニングな「Raincouver」では「雨粒にキスをしよう(I’ll kiss the rain drops, oh)」とささやくように優しく歌う。その街で過ごしたのは2012年までのことで、その年にSMグローバルオーディションに合格した彼は、K-Popの練習生になるために今度はソウルへ移住する。アルバムでは「+82 Pressin’」で最後にもう一度場所を変えることになる。自信にあふれたヒップホップトラックに乗せて、同じくNCTのメンバーのHAECHANをフィーチャリングしたこの曲は、韓国に電話する際に必要な国番号を意味している。そして「200」「Journey Mercies」「Mom’s Interlude」「Too Much」と続いて、『The Firstfruit』のソウル物語が完結するのだ。MARKは言う。「この街から、僕の音楽の旅が本当の意味で始まったんです」

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