不穏なノイズを切り裂くようにシンセサイザーの印象的なフレーズが響き渡るオープニング曲「The Final Countdown」のインパクトで、一躍、北欧メタル～ハードロックを代表するバンドとなったヨーロッパのサードアルバム。キーボーディストにミック・ミカエリ、ドラマーにイアン・ホーグランドを迎えた最初のアルバムで、キーボードを巧みに取り入れたメリハリのあるアレンジと構成が功を奏し、世界各国で大ヒットを記録した。誰もが一度は聴き覚えがあるに違いないタイトル曲のみならず、本作からは合計5曲がシングルカット。ワイルドな「Rock the Night」や、「Danger On the Track」「Cherokee」といったバッドボーイズロック調の曲から、センチメンタルな感情が雨音のように鍵盤にこぼれるバラード「Carrie」、またタイトル曲と対をなすような「Love Chaser」など、楽曲の幅も広く粒ぞろい。そしてどの曲からも、ジョーイ・テンペストのグラマラスなハイトーンボイスが宙を駆け抜けていくような爽快感を味わうことができ、本作が多くのリスナーにとっていつまでも特別なものになっているのもうなずけるだろう。