The Dark Side of the Moon

The Dark Side of the Moon

デヴィッド・ギルモア (Vo/G) の加入以降、度重なる実験と試行錯誤を経て、次第に創作のベクトルを支配するようになったロジャー・ウォーターズ (Vo/B) がリーダーシップを発揮して制作された通算8枚目。人間の無意識に潜む恐怖や狂気をテーマにしたコンセプチュアルな構成になっている。アラン・パーソンズをエンジニアに抜擢し、16トラックの最新機材をフル活用したことで、演奏の骨太な輪郭と音の立体感が明瞭になり、リスナーに革新的な音響空間を提示できたことの意味は大きい。周到にして大胆なサウンドコラージュも本作の特色だが、EMS製シンセサイザーとシーケンサーの導入、女声バッキングシンガーの登用も著しい効果を上げている。

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