The Bad Fire

The Bad Fire

2021年にサプライズヒットとなった『As the Love Continues』でUKチャートの頂点に立ったグラスゴー出身のポストロックアイコン、Mogwaiが、早くも11作目のアルバム『The Bad Fire』を携えて帰ってきた。John Congletonがプロデュースを手掛けた本作は、スコットランドのスラングで“地獄”を意味する言葉からタイトルが付けられ、レコーディング中に幼い娘が骨髄移植を受けることになったキーボーディストのBarry Burnsが直面した経験も反映されている。しかし皮肉なことに、『The Bad Fire』でのMogwaiは、1997年のデビュー作『Young Team』から一貫して物悲しく陰鬱なサウンドの達人であり続ける彼らにしては最高に明るく、最高にキラキラしたメロディを鳴らしている。驚くほどはじけるような「Fanzine Made Of Flesh」は豊かで刺激的に波打つギターの波が幾重にも重なり、その一方で「Lion Rumpus」の激しいメロディはダフト・パンクのアルバムにあっても違和感がないようなロボットボーカルを軸に展開する。結成から30周年を迎えてもなお、Mogwaiは新たなサウンドの深みを目指して挑み続けている。