Sketch

Sketch

「​まさに今の幾田りらの名刺代わりのアルバムだなと思っています」と、​幾田りらはファーストアルバム『Sketch』についてApple Musicに語る。2019年からYOASOBIのボーカルikuraとして活動し、一躍注目を浴びた幾田りら。YOASOBIは次々と社会現象的なヒットを放ち、時代を席巻した。その目まぐるしい日々を彼女はこう振り返る。「YOASOBIの活動が自分の予想よりもすごく先まで進んでしまい、心がなかなか追いつけなくて。なんだか自分の人生だけれども自分じゃないような感覚がずっとどこかにありました」 そんな時、彼女は一人のシンガーソングライターである本来の自分に立ち返り、素直な思いを日記のように歌に書き留めていった。「迷いや葛藤、自分が置かれた状況に心が追いつく瞬間までを描いた歌がいくつもあります」と彼女は言う。「自分で自分に期待やプレッシャーをかけて、抱えきれない部分がすごくあったんです。でもたくさんの方と一緒に音楽を作ったり、一緒に歩んでいくチームができたりする中で、いろんなものを吸収し、自分の蓄えにする実感を持てるようになった。視野が広がり、自分の可能性を信じられるようにもなりました」 幾田りらは自身の楽曲を手掛けるとき、「自分の心に偽りのない歌詞を書く」ことを心がけているという。だからこのアルバムには、表現者として一つ一つの壁に直面し、悩み、乗り越えていく過程が刻まれている。タイトルの『Sketch』には、幾田りらの音楽が自分自身を自由に描けるものであるように、という思いを込めた。「やっとスタート地点に立てた気がします」と語る彼女に、以下、アルバムの中からいくつかの楽曲を解説してもらおう。 Answer 自分の心の弱い部分を赤裸々に書いた曲です。この時自分の殻を破って、心をさらけ出して曲を書くということにしっかり向き合えたことで、シンガーソングライターとして新たな一歩を踏み出せたと思います。 サークル 気持ちは一度落ちてしまうと、元の状態に戻るのにすごくエネルギーを使うので、ちょくちょく自分を休憩させてあげることで、できるだけ滑らかな生活をするように最近心がけています。行き詰まったときは夜のお散歩に出かけたり、家族や友達と無邪気に電話したり。うまくバランスを取って生活しようということを歌っています。 蒲公英 テレビドラマ『大奥』の主題歌として書き下ろした曲です。主人公の女将軍は生まれながらにして過酷な運命を背負いながらも、自分らしく、自分の心を貫くものだけを信じ続け、亡くなる時までその思いを大切にしている。私も自分の心にだけはうそをつかずに生きたいと思うし、そこで大切にした思いは未来に託すことができるのではないかと思っています。この歌では人を蒲公英(たんぽぽ)に見立て、その命が尽きる時、思いや願いが綿毛のように次の命につながるといいなと思って書きました。 吉祥寺 自分のルーツを基に1曲作りたいなと思って、自分が学生時代によく通っていた吉祥寺、井の頭公園を舞台に書きました。自分の具体的なエピソードを交えながらも、聴く人それぞれが故郷や学生時代の仲間を思い返すような曲になれたらいいなと思っていました。歌詞には吉祥寺駅から井の頭公園を抜けていくところまで順序通りにスポットが出てくるので、地図をたどるように聴いて楽しんでいただけたらと思います。 ロマンスの約束 高校3年生くらいの時に書いた曲です。当時の私が書いたみずみずしい歌詞と、時を経て成長した私が歌い直すという部分、どちらも味わっていただけるんじゃないかなと思います。アレンジも大きく変えていただきました。歌い終わりに言う「イェイ」はレコーディング中になかなかイメージと合う表現が見つけ出せず、10回以上テイクを録りました。

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