テーマを“ロック”に据えた力作で、その攻撃性はオープニングの「F・E・A・R」から全開。今作までの間にはベストアルバムの発表やソロ活動があり、B’zで目指すべきサウンドは何かということが見定められた上で取り組んだアルバムとなった。それ故に稲葉浩志は激しいシャウトを、松本孝弘は爆音のギターを存分に轟(とどろ)かせている。アレンジから録音にあたってはライブメンバーとの生のセッションを中心に練り上げられており、また何曲かにはMr. Bigのリズム隊が参加。打ち込みの類は使用していないという徹底ぶりだ。シングル曲としては過去最高にアップテンポな「ギリギリchop」は、よりハードな質感を増したバージョンで収録。「ながい愛」や「SHINE」のようなエネルギッシュなロックナンバーも強く印象に残る。アルバム全体を通じて自分たちを取り巻く人たちとの絆や感謝の意識があり、そうした思いはタイトル曲をはじめとしたいくつかの曲の歌詞に表れている。
- 2021年
- 2021年
- INABA/SALAS