日本のR&Bを代表する久保田利伸の記念すべきデビューアルバムで、本格的なR&Bを日本語で見事に表現してシーンに衝撃を与えた。学生時代から精力的に音楽活動を行い、コンテストなどにも参加して音楽業界内で話題となった彼は、小泉今日子や田原俊彦らへの楽曲提供などを経て、満を持して1986年に本作をリリース。学生時代からの音楽仲間だった羽田一郎との共作曲も多く、アマチュア時代からのキャリアの総括的な側面がある一方で、ソロアーティストとして新たな一歩を踏み出すという決意表明的な意欲も感じられる作品。デビューシングルの「失意のダウンタウン」やタイトルトラックの「Shake it Paradise」といったダンサブルな楽曲から、シングル曲ではなかったにもかかわらず時代を超えて愛される代表曲となった「Missing」のようなラブバラードまで、彼のフレッシュな感性とソウルフルな歌声のみずみずしい魅力が詰まっている。