Sensations

Sensations

当代きってのチェリストの一人、ゴーティエ・カピュソンのアルバム『Intuition』(2018年)と『エモーションズ』(2020年)は、親しみやすいクラシックと、シャンソンやタンゴ、ラグタイムなどの名曲を愛情たっぷりに奏でたもので、いずれも大きな人気を博した。本作『Sensations』はこれら2作のコンセプトを受け継ぐものであり、編曲とピアノを担当した、カピュソンの親友で共演も多く行っているジェローム・デュクロと共に制作された愛すべき20トラックが詰め込まれている。今回は映画音楽も多く取り上げているが、名手カピュソンの演奏は、ハロルド・アーレンの「Over the Rainbow」においても、ミシェル・ルグラン「Windmills of Your Mind」においても、そしてサミュエル・バーバーの「Adagio for Strings, Op. 11」においても、同様にその魅力を輝かせている。デュクロ以外の共演者も素晴らしい。6曲を除くすべての曲でOrchestre National de Bretagneを指揮するJohanna Malangréは若き才能を輝かせ、エジプト出身の気鋭のソプラノFatma Saidは『Bachianas brasileiras No. 5』の名アリアを切々と、かつ高らかに歌い上げている。そしてトランペット界の新星Lucienne Renaudin Varyは、ベルト・ケンプフェルトの「L-O-V-E」でくつろいだ雰囲気のスウィングを聴かせてくれる。さらに将来が期待されるカピュソンの生徒たち6人からなるアンサンブルCapucelliも、グリーグ作曲『Peer Gynt』の「In the Hall of the Mountain King」やバーンスタイン作曲『West Side Story』の「Mambo」などで見事な演奏を披露している。

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