ポーランドのピアニスト、クリスチャン・ツィメルマンによる、シューベルトの大作とも言える最晩年の2つのピアノソナタ。1828年に32歳という若さで亡くなるわずか数か月前に作曲された、3部作の有終の美を飾る2作品。輝きとやさしさにあふれながら、自己の死を予見するかのような一瞬の暗い影を内包する傑作である。ツィメルマンはそうした作品の全体像を受け止めながら、軽やかに、かつ豊かに美しく、円熟の極みのような深い味わいのピアニズムを聴かせる。
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