バンクーバーから登場したシンガーソングライターによるセカンドアルバム。"Salad Days"から続くレイジーなムードは、例えば2000年代初頭のフリーフォークにも通じる、まどろむようなセンスを想起させるが、どこか不真面目な愛嬌が前面ににじむのが2010年代にデビューした彼の魅力だろう。その分、リスナーにとってより身近に感じられる大きな共感性が彼の音楽にはある。レーベルCaptured Tracksのトレードマークといえるサイケデリックポップが開花する"Let Her Go"、レイドバックしたリズムアレンジが冴える"Let My Baby Stay"、さらに調子っぱずれなシンセサイザーがガイドする"Passing Out Pieces"や"Chamber of Reflection"など、極力シンプルに伝えたいことを伝えられる彼のソングライティングの才が堪能できる一枚。