Rimsky-Korsakov: Scheherazade, Op. 35 - Mussorgsky: Night on Bald Mountain

Rimsky-Korsakov: Scheherazade, Op. 35 - Mussorgsky: Night on Bald Mountain

中東の説話を題材にしたリムスキー゠コルサコフによる交響組曲を、個性豊かな演奏と、それを見事に捉えた録音で楽しめる。アントニオ・パッパーノとサンタ・チェチーリア国立アカデミー管弦楽団によるこの素晴らしいパフォーマンスは、冒頭から復讐(ふくしゅう)に燃えるシャフリヤール王を表す悪意に満ちたブラスと、彼の新しい妻であるシェヘラザードを表現する魅惑的なヴァイオリンとのコントラストによって、リスナーを引き付ける。そしてパッパーノとオーケストラは、第3楽章「The Young Prince and Princess(若い王子と王女)」においても、終楽章の難破の場面においても、なぜ最後に王と妻との間に甘い和解が生まれるのかをはっきりと伝える説得力あふれる演奏を披露している。 このアルバムの重要なポイントは他にもある。それは、ムソルグスキーの名作『禿山の一夜』の二つのバージョンが収録されていることだ。これらはいずれも作曲者自身の手によるものであり、ムソルグスキーの死後にリムスキー゠コルサコフが手掛けた、より演奏される機会が多い編曲版ではない。フォルティッシモで幕を開ける1867年の原典版は予測不能で荒々しいものだが、不気味さにおいては合唱団とバスバリトンが加わる1880年版の方が勝っている。どちらもかつて伝説的指揮者クラウディオ・アバドによってレコーディングされたことがあるが、本作の演奏は、綿密に準備したことで自信にあふれたパフォーマンスとなっている合唱の素晴らしさや、豊かで緻密なオーケストレーションの細部までをもはっきりと伝える優れた録音という点で際立っている。

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