リー・ペリーが手掛けた傑作は多数あるが、屈指の名作「Super Ape」と双璧を成すのは、本作だろう。ジャケットの大猿はずいぶんと痩せこけてしまったが、そのぶん内容は前作を超えるトビ具合で、キラーダブ"Return of the Super Ape"を筆頭にディープでミスティックでカラフルなダブアルバムに仕上がっている。ワン＆オンリーのヴォーカルも楽しめ、"Bird In Hand"の妖しげな雰囲気は強烈。"Huzza a Hana"に至っては、狂気の一言では表現しきれない深遠な世界が広がっているようにも感じられ、そんな不可解な畏怖の念を抱かせるのもまた鬼才ゆえなのだろう。メロウでトロピカルな"Crab Yars"も夢心地にさせてくれる。