オリジナルフルアルバムとしては、2016年の『M(A)DE IN JAPAN』以来6年ぶりとなる18作目。2023年4月にデビュー25周年を迎える彼女の、決して平穏ではなかったアーティスト人生を刻む楽曲が並んでいる。カリスマ的な存在として感じた孤独や葛藤、自身に向けられた容赦のない言葉、自分の元を去っていった人々、今ここにいる仲間たちの温かさ。多くの逆境を乗り越え、自分らしい価値観を築き、自立した一人の人間として気高く生きる彼女の凜（りん）とした美しさが胸に迫る。小室哲哉が作曲した「Dreamed a Dream」などアグレッシブなダンスナンバーが続く前半を経て、後半は愛する我が子に捧げるバラード「オヒアの木」や、松任谷由実「春よ、来い」のカバーなどで慈愛に満ちた表情も見せる。ラストナンバー「Just the way you are」では同時代を生きてきた“君”＝リスナーに、人生の指針となる心強いメッセージを送っている。