11曲、39分

スタッフメモ

アンダーソン・パークの2枚のアルバム「Oxnard」と「Ventura」は同時期に製作され、5か月ほどの短い間をおいてそれぞれリリースされた。Beats1のホスト、Zane Loweにその根本的な違いを訊かれ、アンダーソン・パークは「1つはハードでラフな感じに、もう1つはゆるくプリティな感じにしたかった」と答えた。もちろんどちらのアルバムにもその両方の要素があるが、確かに「Ventura」のゆったりしたヴィンテージ感漂うソウルフルなサウンドは「Oxnard」が放つ無尽蔵のエネルギーと見事な対比をなしている。パーク本人はこの2つのアルバムを1つの冒険の初めと終わりを示すブックエンドだ、と説明する。「ベガスに行く途中でどちらかをかけてさ、帰りにもう1つをかけるといいよ。無茶苦茶やったあと、そうやってやらかしたことを振り返るんだ。」ラスベガスで羽目を外して楽しむのと同じく、「Ventura」を素晴らしい作品に仕上げるには仲間の存在が欠かせなかったようだ。アルバムの製作について、トラックごとにエピソードを紹介しよう。

"Come Home” feat. André 3000
「[André 3000と一緒のときは]とにかく、忍耐が必要だった。ひたすら我慢だ。曲なんかもうできないと思って、もうこれは駄目だろうなと諦めはじめるだろ。するとあいつはギリギリ最後にやってくれた。こっちの期待を完全に上回ってね。俺らはツアー中だった。あいつが歌詞を送ってよこしたときは確かイタリアにいたんだけど、読んでぶっ飛んだ。『まじか、すげえ』ってね。」

"Make It Better" feat. スモーキー・ロビンソン
「スモーキーはすごい。『優しい感じでいくんだ、ベイビー。甘くささやきかけないとな。彼女を惚れさせたいんなら、言葉で彼女と愛を交わすんだよ』って言うんで、俺が「あのさスモーキー。俺が書いたのは”皿に出されたものを食うより、逃げるほうがまし”なんだけど」って言ったら、「だめだよ、ベイビー。それじゃ全然だ。いかん、いかん」ってさ。それで、スモーキーが直してきたのが”引き留めようとするものを見つめるよりは、逃げるほうがいい”。俺は言ったね。『超いいよ、スモーク』。」

"Reachin' 2 Much" feat. レイラ・ハサウェイ
「俺よりスムーズな声をしてるのはあいつ[(レイラ・ハサウェイ)]ぐらいじゃないかな。とにかく美しくて、気持ちよくて、スモーキーな声だ。ダニー・ハサウェイの娘だからね。まさにソウルのレジェンドの再来だな。タッグを組むのが楽しみなアーティストの1人だ。彼女はすぐに決めてきたね。実はセッションをしきってくれたのは彼女なんだ。俺はツアー中だったから、電話でああしてくれ、こうしてくれって注文つけてただけだ。帰って聴いてみたら、完璧だった。」

"Winners Circle"
「これはさ、The Free Nationalsの仲間のVicky NguyenとKelsey Gonzalesが持ってきたビートなんだけど、滅茶苦茶気に入っちゃってさ。なんていうか、誰かに出会いたての頃に、『これが恋か?』って思うときの感じがした。映画の『ブロンクス物語』を観てると、黒人の女の子がこう手を伸ばして、主人公にドアを開けてやる場面があるよな。ああいう誰かに出会って、周りに話したくなる瞬間がみんなあるだろ。『おふくろ、俺、出会っちゃった、どうしよう、親父どう思う』とかさ。話す相手全員にアドバイスくれ、みたいな。そんな感じだよ。」

"Good Heels" feat. ジャズミン・サリヴァン
ジャズミンはアレサを若くしたみたいな感じで、とにかく気難しい。こっちが「なあ、ジャズミン、なんかいらない? 水どう? ほら、俺、曲書いたんだけどさ、メンバーも揃ってるし。どうよ?」って頼むと、「待って。まだ話す気がしないの」とかいう感じでね。コンセプトとかそういうのは全部ジャズミンが考えた。男が家でなんか用事を片付けてて、恋人の女の子は出かけてる。そのうち彼女が帰ってくるんだけど、男は別の子とよろしくやったところなんだ。男はバレないで逃げおおせたと思ってるんだけど、浮気相手の子が自分ちのカギかなんかを忘れて戻ってくる。この曲はあっという間にできたけど、みんなしてジャズミンの機嫌をとるのが大変だった。仕上がりはかなりよかったけどね。」
"Yada Yada"
「この曲はアトランタのPatchwork Studiosで書きはじめた。ツアーに出ることについての曲だよ。俺が家でじっとしてる時間が長ければ、その分みんな貧乏になるから、外に出て何とかしなきゃならない。そのバランスについて歌ったんだ。俺がツアーに出ることも1つの要素だけど、帰ってきて気づいたことも含まれてる。つまり、もしこんな生活が当たり前だと思ったら、とんでもない馬鹿だって気づかせてほしいってことだ。だから、息子とそういう話をする感じの曲かな。そんなツアーができるアーティストの特権みたいなものに慣れてきちゃってるからな―チキンウィングとか、スシとかさ。ツアーでいろんなことやって、帰ってきて家族を養う生活にね。「Oxnard」の"Saviers Road""みたいな曲もそういう人生を見渡した曲だけど、これもその手の曲だ。」

"King James"
「(バスケットボール選手のLeBron James、アメリカン・フットボール選手のKaepernick、そういう現代のリーダーたちに敬意を表したい。彼らは自分の立場を使って社会問題、大事なのに見過ごされている問題に光を当てようとする。俺が子供の頃はモハメド・アリの時代は終わってたけど、アリは立派な活動家で、そのうえトップクラスのアスリートでもあった。彼は世の中のことについて発言するのを恐れなかった。今は覚醒の時代だと思うんだよね。みんな、適当に言いくるめられて終わったりしない。本気で何かを望めば、できることはたくさんある。」

"Chosen One” feat. Sonyae Elise
「俺とSonyae Eliseは、けっこう前からコラボしてる。一緒にスタジオ入りするといつも楽しいよ。時計みたいに淡々と自然に仕事する。ちょうど50曲を書き始めたところで、何ていうか、こもりっきりになるしかないんだ。この曲は、仲間のMac Demarcoをちょっと入れた。あと、Sean Priceのボーカルも入ってる。イカしたフューチャーパンクっぽいナンバーだよ。」

"Jet Black" feat. ブランディー
「ブランディーはこれから間違いなくビッグになる。ドラマの『Moesha』もそうだし、ビデオもいっぱい出てるし、曲もいい。考えるとすごいと思うよ。まったく無理がないあんなナチュラルな音楽を作るんだから。声がいいしね。俺ら2人で歌ってもいいよ。この曲はいい感じのダンスチューンだ。外国のアーティストとの洒落たコラボっぽい感じだと思う。」

"Twilight"
「Pharrell Williamsはとんでもない奴だよ、ほんと。俺の知り合いで、ビートを作って、ミーティングやって、衣装とか素材とかの打ち合わせして、お茶も淹れて、ついでにカウンセリングまで全部いっぺんにやれる人間なんてあいつくらいだ。滅多にないクレイジーなセッションだった。あいつの脳みそは分速1マイルで動いてる。スタジオに来てキーボード出すだろ、あっという間にビートを作っちまう。この曲でPharrell Williamsはバックを担当してる。あと、”Tints”を一緒に書いたTaylor Parksにも入ってもらった。みんないいバイブスだったよ。」

“What Can We Do?” feat. ネイト・ドッグ
「このトラックはFredwreckのおかげでできたんだ。あいつはだいたいいつもその辺にいて、パーカッションでもギターでもキーボードでも、ちょこちょこ必要なときに手伝ってくれる。俺が「Ventura」の仕上げにかかってたとき、あいつが「よう、曲があるんだけどさ。ネイト・ドッグが脳卒中になる前に最後に書いた曲の1つなんだ。もし気に入ったらお前のアルバムに入れてくんないかな」って言ってきた。で、聴いてみたら、すっげえよくてさ。ただ俺はもうちょっとこう、クリエイティブにやりたかった。デュエットに聴こえるように、掛け合いっぽくね。もしネイトがまだ生きてたらこうなったかなっていう音にしたかった。その通りになったと思うよ。」

スタッフメモ

アンダーソン・パークの2枚のアルバム「Oxnard」と「Ventura」は同時期に製作され、5か月ほどの短い間をおいてそれぞれリリースされた。Beats1のホスト、Zane Loweにその根本的な違いを訊かれ、アンダーソン・パークは「1つはハードでラフな感じに、もう1つはゆるくプリティな感じにしたかった」と答えた。もちろんどちらのアルバムにもその両方の要素があるが、確かに「Ventura」のゆったりしたヴィンテージ感漂うソウルフルなサウンドは「Oxnard」が放つ無尽蔵のエネルギーと見事な対比をなしている。パーク本人はこの2つのアルバムを1つの冒険の初めと終わりを示すブックエンドだ、と説明する。「ベガスに行く途中でどちらかをかけてさ、帰りにもう1つをかけるといいよ。無茶苦茶やったあと、そうやってやらかしたことを振り返るんだ。」ラスベガスで羽目を外して楽しむのと同じく、「Ventura」を素晴らしい作品に仕上げるには仲間の存在が欠かせなかったようだ。アルバムの製作について、トラックごとにエピソードを紹介しよう。

"Come Home” feat. André 3000
「[André 3000と一緒のときは]とにかく、忍耐が必要だった。ひたすら我慢だ。曲なんかもうできないと思って、もうこれは駄目だろうなと諦めはじめるだろ。するとあいつはギリギリ最後にやってくれた。こっちの期待を完全に上回ってね。俺らはツアー中だった。あいつが歌詞を送ってよこしたときは確かイタリアにいたんだけど、読んでぶっ飛んだ。『まじか、すげえ』ってね。」

"Make It Better" feat. スモーキー・ロビンソン
「スモーキーはすごい。『優しい感じでいくんだ、ベイビー。甘くささやきかけないとな。彼女を惚れさせたいんなら、言葉で彼女と愛を交わすんだよ』って言うんで、俺が「あのさスモーキー。俺が書いたのは”皿に出されたものを食うより、逃げるほうがまし”なんだけど」って言ったら、「だめだよ、ベイビー。それじゃ全然だ。いかん、いかん」ってさ。それで、スモーキーが直してきたのが”引き留めようとするものを見つめるよりは、逃げるほうがいい”。俺は言ったね。『超いいよ、スモーク』。」

"Reachin' 2 Much" feat. レイラ・ハサウェイ
「俺よりスムーズな声をしてるのはあいつ[(レイラ・ハサウェイ)]ぐらいじゃないかな。とにかく美しくて、気持ちよくて、スモーキーな声だ。ダニー・ハサウェイの娘だからね。まさにソウルのレジェンドの再来だな。タッグを組むのが楽しみなアーティストの1人だ。彼女はすぐに決めてきたね。実はセッションをしきってくれたのは彼女なんだ。俺はツアー中だったから、電話でああしてくれ、こうしてくれって注文つけてただけだ。帰って聴いてみたら、完璧だった。」

"Winners Circle"
「これはさ、The Free Nationalsの仲間のVicky NguyenとKelsey Gonzalesが持ってきたビートなんだけど、滅茶苦茶気に入っちゃってさ。なんていうか、誰かに出会いたての頃に、『これが恋か?』って思うときの感じがした。映画の『ブロンクス物語』を観てると、黒人の女の子がこう手を伸ばして、主人公にドアを開けてやる場面があるよな。ああいう誰かに出会って、周りに話したくなる瞬間がみんなあるだろ。『おふくろ、俺、出会っちゃった、どうしよう、親父どう思う』とかさ。話す相手全員にアドバイスくれ、みたいな。そんな感じだよ。」

"Good Heels" feat. ジャズミン・サリヴァン
ジャズミンはアレサを若くしたみたいな感じで、とにかく気難しい。こっちが「なあ、ジャズミン、なんかいらない? 水どう? ほら、俺、曲書いたんだけどさ、メンバーも揃ってるし。どうよ?」って頼むと、「待って。まだ話す気がしないの」とかいう感じでね。コンセプトとかそういうのは全部ジャズミンが考えた。男が家でなんか用事を片付けてて、恋人の女の子は出かけてる。そのうち彼女が帰ってくるんだけど、男は別の子とよろしくやったところなんだ。男はバレないで逃げおおせたと思ってるんだけど、浮気相手の子が自分ちのカギかなんかを忘れて戻ってくる。この曲はあっという間にできたけど、みんなしてジャズミンの機嫌をとるのが大変だった。仕上がりはかなりよかったけどね。」
"Yada Yada"
「この曲はアトランタのPatchwork Studiosで書きはじめた。ツアーに出ることについての曲だよ。俺が家でじっとしてる時間が長ければ、その分みんな貧乏になるから、外に出て何とかしなきゃならない。そのバランスについて歌ったんだ。俺がツアーに出ることも1つの要素だけど、帰ってきて気づいたことも含まれてる。つまり、もしこんな生活が当たり前だと思ったら、とんでもない馬鹿だって気づかせてほしいってことだ。だから、息子とそういう話をする感じの曲かな。そんなツアーができるアーティストの特権みたいなものに慣れてきちゃってるからな―チキンウィングとか、スシとかさ。ツアーでいろんなことやって、帰ってきて家族を養う生活にね。「Oxnard」の"Saviers Road""みたいな曲もそういう人生を見渡した曲だけど、これもその手の曲だ。」

"King James"
「(バスケットボール選手のLeBron James、アメリカン・フットボール選手のKaepernick、そういう現代のリーダーたちに敬意を表したい。彼らは自分の立場を使って社会問題、大事なのに見過ごされている問題に光を当てようとする。俺が子供の頃はモハメド・アリの時代は終わってたけど、アリは立派な活動家で、そのうえトップクラスのアスリートでもあった。彼は世の中のことについて発言するのを恐れなかった。今は覚醒の時代だと思うんだよね。みんな、適当に言いくるめられて終わったりしない。本気で何かを望めば、できることはたくさんある。」

"Chosen One” feat. Sonyae Elise
「俺とSonyae Eliseは、けっこう前からコラボしてる。一緒にスタジオ入りするといつも楽しいよ。時計みたいに淡々と自然に仕事する。ちょうど50曲を書き始めたところで、何ていうか、こもりっきりになるしかないんだ。この曲は、仲間のMac Demarcoをちょっと入れた。あと、Sean Priceのボーカルも入ってる。イカしたフューチャーパンクっぽいナンバーだよ。」

"Jet Black" feat. ブランディー
「ブランディーはこれから間違いなくビッグになる。ドラマの『Moesha』もそうだし、ビデオもいっぱい出てるし、曲もいい。考えるとすごいと思うよ。まったく無理がないあんなナチュラルな音楽を作るんだから。声がいいしね。俺ら2人で歌ってもいいよ。この曲はいい感じのダンスチューンだ。外国のアーティストとの洒落たコラボっぽい感じだと思う。」

"Twilight"
「Pharrell Williamsはとんでもない奴だよ、ほんと。俺の知り合いで、ビートを作って、ミーティングやって、衣装とか素材とかの打ち合わせして、お茶も淹れて、ついでにカウンセリングまで全部いっぺんにやれる人間なんてあいつくらいだ。滅多にないクレイジーなセッションだった。あいつの脳みそは分速1マイルで動いてる。スタジオに来てキーボード出すだろ、あっという間にビートを作っちまう。この曲でPharrell Williamsはバックを担当してる。あと、”Tints”を一緒に書いたTaylor Parksにも入ってもらった。みんないいバイブスだったよ。」

“What Can We Do?” feat. ネイト・ドッグ
「このトラックはFredwreckのおかげでできたんだ。あいつはだいたいいつもその辺にいて、パーカッションでもギターでもキーボードでも、ちょこちょこ必要なときに手伝ってくれる。俺が「Ventura」の仕上げにかかってたとき、あいつが「よう、曲があるんだけどさ。ネイト・ドッグが脳卒中になる前に最後に書いた曲の1つなんだ。もし気に入ったらお前のアルバムに入れてくんないかな」って言ってきた。で、聴いてみたら、すっげえよくてさ。ただ俺はもうちょっとこう、クリエイティブにやりたかった。デュエットに聴こえるように、掛け合いっぽくね。もしネイトがまだ生きてたらこうなったかなっていう音にしたかった。その通りになったと思うよ。」

タイトル 時間

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