Rage!

Rage!

Soulive のギタリスト Eric Krasno を中心とした7人組のジャズ・ファンク・バンド Lettuce 。全員がバークリー音楽大学出身という正統派だ。本作は1stアルバム「Outta Here」から6年ぶりのリリースとなる2ndアルバム。さすがのスキルでタイトに聴かせる楽曲の中、やはりハイライトは “Move on Up” だろうか。ご存じ Curtis Mayfield が70年代に放ったスマッシュ・ヒット。 Jam をはじめ、さまざまなアーティストがカバーやサンプリングでリスペクトを捧げる名曲だ。これを Lettuce は真っ向勝負でカバー。ボーカルに Dwele をフィーチャーし、歌、演奏ともにオリジナルを忠実に再現するような仕上がり。自信あふれる熱いグルーブ感とほとばしるソウルすらも継承された完璧な新型 “Move on Up” が誕生している。そしてもう1曲、 Charles Wright & the Watts 103rd Street Rhythm Band の "Express Yourself" のカバーも含まれる。実はこのアルバム、2006年の James Brown と J Dilla の他界という出来事をきっかけに今一度ファンクへのトリビュートの意を込めて制作されている。そのため、あくまで忠実にオールドスタイルを貫きながら同時に若手シンガーを起用しカバーすることで新たな時代のエッセンスを注入することにトライしたようだ。かつてクラブで他のバンドが演奏したあと、"Will you let us play ?" (俺たちにやらせて)の let us = lettuce という名前の由来が語るように、ファンクに対するトリビュートを自分たちがやらないで誰がやる?といった自信と気迫が音となったアルバムだ。

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