1974年にリリースされた、Minnie Ripertonのセカンドアルバム『Perfect Angel』。軽快なイージーポップやアコースティックなフォークロックを、ソウルやファンクのグルーヴと魅惑的にブレンドさせた名高い一作で、エバーグリーンな輝きを放ち続けている。それはもちろん、かつて彼女をコーラスに抜てきし、また、本作のプロデュースを変名で手掛けたスティーヴィー・ワンダーの音楽性とも共振するものであろう。チャーミングなたたずまいながらも、5オクターブをカバーするという驚異的な歌声は「The Edge of a Dream」のようなバラードでは曇りのない希望を伝え、優しく揺れるような「It's So Nice (To See Old Friends)」では、聴く者に寄る辺ない夜を思い起こさせる圧倒的な表現力を誇っている。また、娘の誕生にインスピレーションを受けて書かれたというスウィートなララバイ「Lovin’ You」は、曲の冒頭に収められた鳥たちの喜びのさえずりと共に、世界中で愛される名曲となっている。明度の高いポップロックとファンキーなグルーヴのミクスチャーに多彩な音楽性が宿る、はじけるような生命力にあふれた愛すべきアルバムだ。