ニューヨーク出身のバンド、ブロンディが1978年にリリースした3作目のアルバム。デビー・ハリー（Vo）がファルセットを響かせるディスコナンバー"Heart of Glass"が大ヒットしたことにより、彼らがニューウェーブバンドとして語られる向きはある。しかし一方で、率直なパンク／ロックンロールを音楽性の起点としており、本作では楽曲制作のポップな柔軟性とロックなこだわりがせめぎ合い、緊張感をもたらしている。メロディが織り込まれた楽曲群の中でも、"One Way or Another"のソリッドかつパンキッシュな手応えや、"Fade Away and Radiate"のR&Bに根ざした味わいは、バンドの厚みのある表現力を物語っている。