君島大空は、自身の心に湧き上がるイメージをますます精彩に音で描いている。前作『映帶する煙』からわずか8か月でリリースされたセカンドフルアルバム。本人のコメントによると、前作は「細部に悩み、迷う時間を意図的に設け」たが、今作は「季節と並走し、今自分が出したいものが集まった場所から見える景色や匂いを体内/体外へ(再)提示したい」と考えたという。その言葉の通り、偶発的なアイデアやセッションする中で生まれた熱を、あえて整理し切らず心のままに紡いだような楽曲が並ぶ。「札」と「c r a z y」は“君島大空トリオ”のメンバーである藤本ひかり(B)、角崎夏彦(Dr)が参加し、荒々しいほどにダイナミックな演奏を繰り広げている。また、「沈む体は空へ溢れて」は“君島大空 合奏形態”のメンバーである石若駿(Dr)が圧倒的なドラミングを披露する。君島はそうした熱量の高い演奏と、自ら手掛けたエレクトロニックなサウンドを絶妙なバランスで構成し、目に見えない感情を音で伝えている。
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