

シンガーとしてのニック・ケイヴがまた一つ上のステージに到達したような快作。メンバーのMick Harveyやウォレン・エリスの演奏家/アレンジャーとしての才を全面開花させた作品でもある。ジャズやクラシックのイディオムに、従前からのハードボイルドなロックアンサンブルも絡めつつ、より明快になったケイヴの詞世界を音楽面で的確にサポート。さらにKateとAnnaのMcGarrigle姉妹が随所で重ねた流麗なコーラスも話題に。"Love Letter"の映画音楽を思わせる秀逸なオーケストレーション。胸を打つバラード"Hallelujah"や、アルバム「Henry’s Dream」に収録されていた"Papa Won’t Leave You, Henry"をリアレンジした"Darker With the Day"には、得もいわれぬ深みと聴き応えがある。