オスカー・ピーターソンのピアノスキルの頂点となる、1962年収録の「Night Train」。ベースのレイ・ブラウンとドラムのエド・シグペンを引き連れ、モントリオール出身のピーターソンは、当時ポピュラーだったスタンダードナンバーに挑んだ。"Night Train"、"C-Jam Blues"、"I Got It Bad and That Ain't Good"、"Band Call"など、特にデューク・エリントンへのオマージュが目立つ。“C-Jam Blues"では3人とも激しいスウィングを演出するが、"I Got It Bad and That Ain't Good"では逆にディープなブルースに浸っている。ボーナストラックの1曲では、チャーリー・パーカーの"Now's the Time"のフレーズをカバーし、スウィングとボップを見事に両立。短いトラックだがトリオのエネルギーがみなぎり、リスナーに伝わってくる。さらに、ホーギー・カーマイケルの"Georgia On My Mind"とオリジナル曲の"Hymn to Freedom"ではゴスペルテイストを披露した。特に"Hymn to Freedom"は60年代にリリースされたLP盤でアルバムのラストに収録され、感動的なフィナーレを飾った。
- 1952年
- 1956年
- オスカー・ピーターソン・トリオ
- エロル・ガーナー
- Various Artists