本作リリース当時の宮野真守にとっての、まさに“開拓地の最先端”を指し示す作品。クールなダンスナンバー「NEW ORDER」では、アーティストとしての自分の未開の地を切り開いていく彼の心情が直接的に表現され、自らも作詞に携わったリード曲兼タイトルチューン「FRONTIER」でも、前へ進む強い意思を何度も言葉にして、力強く歌い上げている。そのコンセプトは、アップテンポのダンスチューンだけでなく、「Naked Tango」では一転して、タンゴのテイストとバンドネオンの音色が溶け合う妖艶な雰囲気を見せるなど、ジャンルやアレンジにもチャレンジしながらさまざまな形で体現されていく。そしてアルバムを締めくくる「ただ、そばにいて」には、ファンやスタッフへの感謝の念が歌声に込められ、共に“最先端”へ向かいたいという宮野の思いが伝わってくる。