N / bias(Special Edition)

N / bias(Special Edition)

「傷跡も嫉妬も愛情も詰まった、自分の“本音”が表せるアルバム作りを意識しました。歌詞もメロディもすべて、今の中島健人の伝えたいことです」。中島健人はファーストアルバム『N / bias』についてApple Musicに語る。2024年春に13年間所属したアイドルグループを卒業した彼は、すぐにソロとしての活動を開始した。まずはキタニタツヤとのユニット、GEMNとして「ファタール - Fatal」を発表、そして自身が主演したドラマ発の音楽プロジェクト、HITOGOTOに参加。アーティスト/俳優の両軸で多彩な活動を繰り広げる中で、彼は自身のソロアルバムの構想を練っていた。 「アイドルの人生にはさまざまな言葉が絡みつくと思います」。これまで中島は、アイドルであることに誰よりも真剣に取り組み、その姿勢にふさわしい高い評価を得てきたが、それだけに多くの葛藤も経験してきた。そして彼はソロのキャリアを切り開き始めたこの時に、そうした胸の内すべてを明かそうとしている。「自分に対して生まれ始めたネガティブな言葉や、浴びたことのない感情を取り払いたいと思い、このタイトルが浮かびました。最初、音楽チームから『ぼくのダメなところ』というタイトルはどうだろうという衝撃の提案があった。その意図を汲み取った際、ダメなところ=自分の素直な部分という解釈になり、赤裸々に自己表現をし、バイアスを除いた作品を作りたいという思いから『N / bias』(ノンバイアス)というタイトルが誕生しました」 どんぐりず、☆Taku Takahashi(m-flo)など多彩な作家陣に加え、中島自身もクリエイティブな能力を大いに発揮した。「今回収録の16曲のうち半分は僕が制作に携わっています。もう半分はいろんな方に楽曲提供していただき、アルバムに新しい風を吹かせてもらえました。『ピカレスク』のような刺激的な曲もあれば、『jealous』のような明るく爽やかな曲も収録されていて、中島健人のさまざまなコントラストを感じられるアルバムになったのではないかと思います」。中島健人が内なる世界の扉を開いた本作について、ここからはいくつかの楽曲を彼に解説してもらおう。 ピカレスク この楽曲は僕にとってのアンセム。僕を勇気づけてくれる曲であり、今の僕⾃⾝の⽣き写しのような作品です。何かを決断する時、それがこの世界の誰かから悪と呼ばれても、いつか本当のことが届くと信じながら、もがいてあがいて1からやり直していく、そんな気持ちを込めて書きました。「愛が朽ち果てても相でありたい」というサビに初めて歌⼊れした時、今までにないボーカルが録れたと思いました。パンチが強いサビにはなっていますが、ソロとなり⾃分一人で⾳楽を背負う分、この魔物のようなサビを⾃分のものにするためにしっかりと気持ちを込めてパワーをぶつけたので、ぜひ着⽬して聴いていただきたいです。 Scene29 この楽曲は去年(2023年)僕が29歳になる際、20代最後に今のメッセージを曲に残せないかと思い、制作した楽曲です。最初、トラックを作っている時に映写機の⾳を差し込んだのは、この楽曲の世界観を映画にしたかったから。⼈⽣一年一年をSceneナンバーに例えたら、よりシネマチックに楽曲を表現できると思ったからです。多くの皆さんにとって20代最後の年は、何かを考え、何かを思い、何かを決断するタイミングでもあると思いますが、まずはしっかり⾃分⾃⾝を愛してほしいというLove myselfソングとして制作しました。本当は20代から30代になる直前、どこかのステージで当初は披露しようと思っていましたが、30代になって初めて歌うので、この楽曲を僕が奏でる時を楽しみにしていてください。 Unite 「Unite」は2013年に僕がグループの時にソロで作った「CANDY~Can U be my BABY~」という楽曲を進化させた現代版スーパーアイドルソングにしたつもりです。僕のファンクラブが「I AM:U」という名前なので、そこから「U」を取り、皆さまと一つになりたいという気持ちを込めて「Unite」と名付けました。歌詞には過去12年分の⾃分のソロ曲の歌詞、すべてがこの曲に詰め込まれています。どこのどのパートがどの曲なのか、ぜひ「Unite」で中島健⼈の歴史の宝探しをしてほしいです。 迷夢 この曲は⾶⾏機に乗っている時、最初にメロディが思いつき、その中で「まぼろし」という⾔葉が浮かびました。そこから蜃気楼、森、霧などの要素が並び、その想像の中を歩いていたら霧が晴れた先に線路が⾒えました。そこから「途中下⾞」という⾔葉を歌詞に⼊れようと思い、この楽曲の印象的なワードとして表すことにしました。僕にとって別れと出会いの歌であり、おそらくこれから先、いつになっても歌い続け、聴き続ける曲だと思います。 THE CODE 僕が出演している海外ドラマ『コンコルディア/Concordia』に書き下ろした曲です。A・Jという役に出会い、「このドラマに曲を書くとしたらどんなものになるだろう」と想像していました。撮影地イタリアのローマで、プロデューサーのフランク・ドルジャー⽒に楽曲を書かせていただけないか頼んだのですが「ケント、僕の作品はポップスを使わないんだ」と⾔われました。帰国後に諦めきれず楽曲を作り、再度フランクに送ったところ、劇中歌として採⽤していただけた。イージーリスニングを意識し、トラック数を少なめに構成、メロディはキャッチーにして、特にイントロのフレーズは頭に残るようなリズムにしました。歌詞はドラマの世界に沿って作ろうと⾃分なりに解釈し、「真実を探すのは、⼲し草の⼭の中から⼀本の針を⾒つけるくらい難しい」というテーマにしています。2年の時を経て、ドラマと⾳楽をA・Jという役を通して連動させた作品です。

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