

フランス生まれのピアニスト、アラン・ルフェーヴルは、幼い頃に移り住んだカナダで人生の多くの時間を過ごしてきたが、巨匠ピエール・サンカンのもとパリ国立音楽院で学んだ学生時代は彼に決して消えることのない音楽的な影響を与えた。ルフェーヴルはワーナークラシックスからのデビューアルバムとなった本作で、フランスを代表する作曲家たちによる名品を奏で、フランス音楽の奥深い魅力を改めて伝えてくれる。サティの"ジムノペディ 第1番"、ドビュッシーの"月の光"、ラヴェルの"亡き王女のためのパヴァーヌ"といった永遠の名曲の、美しく穏やかで詩的な演奏は、リスナーを夢見心地にさせる。一方、アルバムの中核を成すフランクの"前奏曲、コラールとフーガ"は激しい情感というパリのもう一つの顔を見事に描き出している。