ラジオのヘヴィーローテーションやビデオ放映でバンドの名前を広く知らしめたヒット曲"Mr. Jones"を含むデビューアルバム。この曲の熱い歌い口を聴けば、フロントマンのアダム・デュリッツが名誉あるRock and Roll Hall of Fameの記念式典で、ヴァン・モリソンの代役を務めたことも納得。アコーディオンやマンドリンが旅情を掻き立てる"Omaha"、さらに影響源の一つと公言するR.E.M.を想起させる"Anna Begins"など、彼らのルーツが端々にうかがえるのもデビュー作品ならではの楽しみといえるだろう。一概にアメリカーナともオルタナティブカントリーともいえない、スケールの大きな往年のアメリカンロックの魂を受け継いでいるのが彼らの持ち味。その醍醐味は既にこのデビュー作品にあふれんばかりに詰まっている。