Mozart: Clarinet Works

フランスのクラリネット奏者Raphaël Sévèreは、ロックダウンによるフラストレーションの中から生まれた本作で、自ら"芸術的孤独"と呼ぶ状況からの復帰を果たした。本アルバム『Mozart: Clarinet Works』には、モーツァルトの2つの傑作『Concerto pour clarinette en La Majeur, K. 622』と『Quintette pour clarinette en La Majeur, K. 581』が収められている。『Concerto』の第1楽章でのSévèreの演奏は、太陽のような輝きと感謝の気持ちにあふれ、明るくはつらつとした最終楽章は、リスナーの気分を高揚させるに違いない。第2楽章「Adagio」の美しい旋律と郷愁を帯びた曲調には、Sévèreのベルベットのようになめらかな音色がよく似合うが、それは『Quintette』の第1楽章でもたっぷり味わえる。フィナーレを飾る変奏曲『Quintette』では、Sévèreと弦楽カルテットのQuatuor Modiglianiが、くつろぎに満ち足りた雰囲気でリサイタルを締めくくる。

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