

2002年のデビュー以前から、ライブ・ハウスやクラブでの活発な活動で注目を集めていたシンガー・ソングライター/ギタリスト、 Saigenji が2008年にリリースした通算6枚のオリジナル・アルバム。ボサノバやサンバといったブラジル音楽だけでなく、アルゼンチンなど南米各地のフォルクローレへの造詣が深く、そうした南米のさまざまな音楽の要素をソウルやジャズ、ロック、フォークといったサウンドに融合させたアコースティックなサウンドと、味わい深いボーカルが持ち味。その才能はアーティストたちの間でも高く評価されていて、MONDO GROSSO、冨田ラボ、今井美樹、アン・サリー、平井堅など、多くのアーティストとのコラボレーションを重ねてきた。そんな彼が、よりボーダレスな新しい一面を披露したのが本作。豪快なギター・プレイよりも、アルペジオなど優しく柔らかいサウンドを活かしたオーガニックなサウンドが印象的。例えば “ハミングバードワルツ” で聴くことのできる軽やかな歌声。自分の声も楽器の1つのように扱って、ギターとともに心地いいアンサンブルで聴かせている。