Maxinquaye

Maxinquaye

Tricky の1stアルバムにして、彼が一躍スターダムへと登り詰めた記念碑的作品。ざらついたサンプルの音とダークな旋律、その中を漂う美しい女性ボーカルと Tricky のつぶやくともラップともつかぬ声。ブリストル出身の彼はダビーなセンスを血肉として備えているが、同じブリストル出身であり盟友でもある Massive Attack と比較してもヤバさが際立つ。UKヒップホップの形さまざまなれど、最も鋭利な部類に入ると言えるだろう。1990年代の中期、トリップホップというタームが生まれ、Ninja Tune のアーティストなどがそのカテゴリーで語られていたが、本作こそがそう呼ばれるにふさわしい1作なのではないだろうか。敬愛する Public Enemy の曲を屈折したロックでカバーした “Black Steel” など、その飛びぶりは尋常ではない。このクセになる世界観はその後も一貫して継続されることになる。そこからさかのぼって見ても、まったく軸がぶれておらず、しかも1stにしてほぼ完成していることに驚かされる。

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