ラヴの元型 - EP

ラヴの元型 - EP

「この作品は本当に肩の力を抜いて作りました。この感じでバンドを続けていくことに意味があると思う」。2024年3月にリリースされたAJICOの2nd EP『ラヴの元型』について、UAはApple Musicに語る。UA(Vo)、浅井 健一(G/Vo)、TOKIE(B)、椎野恭一(Dr)の4人で2021年に再始動したAJICO。同年のEP『接続』に次いで再始動後2作目となる本作のタイトル『ラヴの元型』は、UAが発案した。「私は臨床心理学者の河合隼雄先生が大好きで、彼の言うことから“元型”という言葉を拾ってメモしていたんです。“元型”というのは心理学用語で、意識の手が加わっていない、心がそのまま現れてきたものを指す言葉。AJICOで3年ぶりの作品を作るとなった時に、浅井さんが『もともとのAJICOの感じをまたやれたらいいのにな』とポロっとおっしゃったことが、その言葉とリンクしました」。そして生まれた表題曲はプリミティブなディスコグルーヴに乗り、人類が進化とともに失った野性を取り戻すべく叫ぶスリリングなナンバー。作曲を手掛けた浅井は、UAの作詞について「勢いがあって大好き。日本語を乗せるセンスがさすが」と賞賛する。 浅井 健一の語りかけるようなボーカルが印象的な「あったかいね」、12弦のギターがクラシカルな響きをもたらす「微生物」、宇宙の広がりを感じさせるロマンチックなララバイ「8分前の太陽光線」。収録された6曲はいずれもAJICOらしさを残しつつ、新鮮な風味もある。サウンドプロデュースはバンドメンバーのほかに、『接続』にも参加した鈴木正人、そして新たに荒木正比呂が加わった。「『ラヴの元型』はもともと全然違う構成で、真ん中の大サビはなかった。そこに荒木くんのエッセンスが入って、最初は違和感があったけど、その後の展開も含め、こんなふうに変わるんだと勉強になる部分があった」と浅井は語る。AJICOはベテランメンバーがそろうバンドではあるが、制作に臨む姿勢は柔軟であり、それがみずみずしい音世界とつながっている。「大御所バンドのように振る舞うのではなく、令和のロックとしてブラッシュアップしたい。そのほうが再始動の意味があると思うから」とUAは言う。「この4人で集まって何か作れば特別なものができる自信はあるから、ただ続けられればそれでいい」。再始動から3年、AJICOの4人はバンドであることを心から楽しんでいる。

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