Luxury Disease

Luxury Disease

「アメリカで培った経験を踏まえ、新たなスタートを切りました」。3年半ぶり、10作目のオリジナルアルバムとなる『Luxury Disease』。ONE OK ROCKのTakaは、そのタイトルに込めた思いをApple Musicに語る。「僕らはここ6、7年、日本のみならず全世界で活動できたらという思いで活動を続けてきた。やっとアメリカのチームと一緒にやっていける環境が整い、このアルバムで新たなスタートが切れたんです。振り返ってみれば、日本で初めてアルバム『ゼイタクビョウ』を出したときも同じように右も左も分からない状況だったなと思い出し、今回は『ゼイタクビョウ』を英語にして、世界の地で頑張っていこうという思いを込めています」
今作は、1曲目の「Save Yourself」から“これぞONE OK ROCK”と快哉(かいさい)を叫びたくなるようなロックが鳴り響く。ここにたどり着くには、モダンなポップを奏でた前作『Eye of the Storm』(2019年)が絶対に必要だったとTakaは言う。「アメリカではロックカルチャーが復活しないまま何年もの月日が過ぎ去り、僕らは自分たちが憧れたエモやパンクのシーンがもう一度戻ってきてほしいと思っていました。ただ、僕らがいきなりアメリカでロックな音楽を作るのは知識も経験も足りず時期尚早と思ったので、まずはアメリカのカルチャーや、ポップとは何かということを勉強しながら前作を作った。そして今回このタイミングで、ひょっとしたらロックがもう一度よみがえるかもしれないという自分の感覚的なものに従い、絶対的にロックなアルバムを作ろうと決めました」
アルバム全体のプロデュースは、Green Dayやマイ・ケミカル・ロマンスほか多くのロックバンドを世界的なヒットに導いた伝説的プロデューサー、ロブ・キャヴァロが務めた。ロブはまずメンバー全員に、今作をどんなアルバムにしたいのか、何を伝えたいのかをヒアリングしたという。そのディスカッションの中で音楽や自分自身と向き合う時間も増え、「それがすごく大事な時間だった」とTakaは振り返る。「前作のようにポップな作風からこれほどロックに振り切るには、リハビリも必要なんです。コロナの影響もあったし、ネガティブやポジティブ、いろんな感情があった。そことしっかり向き合いながら制作できたのは、バンドキャリアにとっても、自分にとっても重要なことでした」
2022年2月に発表した『Apple Music Home Session: ONE OK ROCK』に続き、本作もドルビーアトモスの空間オーディオで聴くことができる。Takaは「僕はこの空間オーディオバージョン、かなり好きですね」と声を弾ませる。「音が立体的で、(イヤフォンで聴いていても)スピーカーで聴くような空気感がある。これまでの音作りはいかに奥行きを出すかが主なテーマだったと思うんですけど、空間オーディオは音に包まれたり、上から降ってくるような感覚があって。すごく面白いし、いいなと思う。これは実にいい試みになったような気がします」
いまや世界に名をはせるロックバンドとなったONE OK ROCKだが、「僕らは決してスーパーマンでもヒーローでもない」とTakaは言う。「みんなと同じように僕らも夢を掲げてゼロ地点からスタートして、やり続けていれば結果として何か残るものがあると信じて活動している。それを信じてやることが日々の幸せにつながっていくんじゃないかな」。そう力強く語るTakaに、以下、『Luxury Disease』からいくつかの楽曲を解説してもらおう。
Save Yourself 
結構前からあった曲ですが、わりと難産で、試行錯誤を重ねました。もともとアルバムはロックなテイストでいくと決めてはいたけど、この曲ができるにつれて決心が固まってきました。これでONE OK ROCKがカムバックしたという感覚をみんなに知ってもらえればという意味も込め、アルバムからのファーストシングルにしました。
Neon 
レーベルメイトであるパニック!アット・ザ・ディスコのブレンドン(・ユーリー)と、そのプロデューサーであるジェイク(Jake Sinclair)と共作しました。彼らとはレコーディング場所も一緒で、たまたま会った時に、なにか面白いアイデアはないかなと思ってこの曲を渡したら、サビが全然別のものになって返ってきました。“Shibuya”という単語をぶち込んできたのも彼らのアイデア。Shibuyaというネオンの輝く街が、コロナによってすごく静かになってしまっていることを踏まえています。
When They Turn the Lights On 
ミュージカル的なものを想像しながら歌いました。プロデューサーのロブは、クイーンとか1970、80年代のロックが身に染みてるレジェンドプロデューサーなので、こういうオペラチックな楽曲が好きだろうなと思ったけど、やっぱりいい反応がありました。
Let Me Let You Go 
かなり長く一緒にやっているColin(Brittian)と、ツアーを共にしたファイヴ・セカンズ・オブ・サマーのAshton(Irwin)たちとのライティングセッションから生まれた曲です。AshtonはLAで近所に住んでいる友達だったりもします。Colinから「みんなでセッションすべきだよ。曲作ろうよ」って電話が来て、もちろんって感じで始まったのを記憶しています。ライティングセッション自体、すごくエキサイティングで、このアルバムのテーマでもあるロックンロールヴァイヴスをいい感じで彼らから得ることができた。この曲ができてから、もっといろんなロックミュージシャンたちとライティングセッションをすればいいヴァイヴスのロックアルバムが完成すると思うようになりました。
Prove 
夢を追うのに失敗はつきものだから、失敗するかもしれないことをあたかも成功できるかのように言うのはリスクもある。だけど、強気な言動によって自分を成長させられることは大いにあると思うし、それは自分のモチベーションを常に高く維持することにも関わってくる。この曲で歌っていることは自分に言い聞かせている面もあり、目指す場所に向かって進んでいく姿をファンのみんなに見てもらうことで、何か還元できるものがあるのではと思っています。
Mad World 
15歳くらいの時に抱えていたジレンマや悔しさ、絶望を、時間をかけて清算した今、昔の自分を振り返って、あえて全編日本語で書こうと思いました。多感な思春期の繊細さって、ミュージシャンである以上は大事にしとかなきゃいけないのかなと思う。僕も15歳くらいの時に聴いたロックの衝撃を、いつもどこかで参考にしてステージに立っています。
Gravity 
Official髭男dismの藤原くんがONE OK ROCKの音楽を聴いてボーカリストを目指したと聞かせていただいた時、自分もそういう立場になっているんだなと感慨深くなりました。そして、ヒゲダンのようにこれからの世の中を引っ張っていく新しいバンドさんに対して、自分たちの意見やメッセージを継承してもらえるようにコラボしたりするのはすごくいいことだと思う。なので今回、こちらから声を掛けさせていただき、おかげさまで最高の曲ができました。藤原くんはONE OK ROCKを聴いてきているからこそできる歌い回しやアレンジをしてくれて、ONE OK ROCKに対するリスペクトと愛をすごく感じました。

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