カナダのシンガーソングライター、ファイストのセカンドアルバム。王道アメリカンフォークに一つ工夫を加えたような、エバーグリーンな楽曲をアコースティックなプロダクションでまとめ、一躍、彼女の名前を世界に知らしめた。タイトル曲の"Let It Die"のようなスローなブルースも情感豊かに歌いこなせるファイストの力量は、この時点で既に飛び抜けていた。かといって歌唱力をひけらかすことなく、あくまでもインティメイトな温かさを残しているのが彼女のチャームポイント。前半は自身のオリジナル曲やゴンザレスとの共作曲ではじまり、後半はビー・ジーズの"Inside and Out"やロン・セクスミスの"Secret Heart"など、彼女のルーツをうかがい知れるカバー曲でまとめた今作は、遊び心ありながらも大人びている。