LANDER

LANDER

「たどり着いたこの惑星で新しい世界を作っていくことに、とてもワクワクしています」。前作『LEO-NiNE』から約2年ぶりとなるオリジナルフルアルバム『LANDER』について、LiSAはApple Musicに語る。この2年の間に彼女はアニメ『鬼滅の刃』のテーマソングをはじめ多数のヒットを放ち、国民的シンガーとしてJ-Popシーンの最前線に立ち続けた。「いろんな作品と関わり合う中でできたシングル曲がたくさんあり、どれもがすごく大きな世界観を持っているので、アルバムを作るとなったときに『あれ? アルバム曲を入れられるところがないかも』と思ったほど」と振り返る。「なので、ここから新しくまたLiSAを始めていくに当たって足りないものや、シングルがあったからこそ素直に伝えられることをやってみようと思って制作していきました」 『LANDER』は、月面などへの着陸船を意味する言葉だが、LiSAが到着したのはどんな場所だったのか。「10年前に出発した時には想像できなかったような惑星にたどり着いている」とLiSAは言う。「そこはとても素晴らしくて。これから新しいものを作り上げていくに当たって大変なことももちろんあるけど、これまでの10年の経験があるから、私は今すごく希望を感じています」 今作ではAyase(YOASOBI)、佐々木亮介(a flood of circle)、伊澤一葉といったアーティストとのコラボレーションも行われ、多彩な楽曲が生まれた。その楽曲のカラーに合わせ、LiSAのボーカルスタイルにも変化が見られる。その理由についてLiSAは「梶浦 由記さんの楽曲との出会いがとても大きかったように思います」と説明する。「私はこれまでストレートな高音やスピード感のある楽曲が自分の最大の武器だと思っていて、バラードには苦手意識があったんです。でも自分の得意技だけでは通用しない梶浦さんの楽曲と出会い、とくに『炎』では声の表現とじっくり向き合う時間がありました。これまで私はバラードもハイテンポな曲も、150kmで走ることがすべてだと思っていたんです。でも、バラードでは60kmで走った方が伝わることもある。そんなアクセルの踏み方とか速度調整ができるようになったのかなと感じています」。新たなステージに立ち、「ここからが新しい始まり」と語るLiSAに、以下、アルバムからいくつかの楽曲を解説してもらおう。 往け 作曲していただいたAyaseさんは、とても繊細に楽曲を作る方。この曲では疾走感や迷い、強い意志が絡まり合いながらも、一つの強い芯が感じられるメロディを授けてくださいました。そのメロディに私が歌詞を乗せるのはすごくプレッシャーがありましたが、Ayaseさんはとても優しくていろんなことを寛大に受け入れてくださり、私も最大限の力が出せました。 dis/connect 楽曲に導かれ、自分の弱音を吐露するように歌詞を書きました。弱音も早口で言えばOKというか(笑)、ちょっと許されるかなと思って。言葉数を多く必要とする楽曲だからこそ弱音をたくさん吐き出せたような気もします。“吉日好日(きちじつこうじつ)”とか発音の難しい言葉が多いので、たくさん滑舌(かつぜつ)練習しないと(笑)。 シャンプーソング a flood of circleの楽曲を聴くと、自分のことを歌ってくれているような感覚になります。だからきっと佐々木亮介さんにすべてお任せしても、自分の言いたいことと根底は変わらないだろうなと思ったので、制作をお願いしました。“冷やし中華食べたいな”という歌詞があって、そこは佐々木さんが「LiSAちゃんに冷やし中華って言わせたい」って言ってました(笑)。 明け星 梶浦 由記さんとは「from the edge」という楽曲で初めてご一緒したのですが、その時は梶浦さんが私という楽器をどう使おうかなと探りながら私に寄せてくださった部分もあると思うんです。それから「炎」を経てこの「明け星」を受け取った時、梶浦さんが「よし、これでいける」って思ってくださったのかなと感じて、うれしく思いました。 逃飛行 今回のアルバムはピアノで楽曲を制作される梶浦さんの楽曲が三つあり、その印象がすごく大きいと感じたので、クラシカルなイメージを持ちながらポップスをやってくださる方とご一緒したいと思い、伊澤一葉さんにお願いしました。伊澤さんはこの曲のAメロで、女性だからこそ出せるかわいい狂気みたいなものを感じたいんだとおっしゃっていて、私も新しい自分自身を詰め込めたような気がします。 NEW ME 2022年4月に行った10周年イヤーのラストのライブ、11周年を迎えるタイミングで初めて披露した曲です。これからLiSAがどんなふうに進んでいきたいかを考えたときに、これは新しい始まりだなと思いました。そしてコロナがあって変わってしまった世界の中での楽しみ方や、生きていくための過ごし方をこの2年で少しずつですが理解できた気がしたので、その思いを込めた楽曲を作り、ライブメンバーと一緒にアレンジしました。新しい今日をみんな毎日一生懸命生きている。そう思って前を向いていれば新しい自分に対して期待ができるし、未来が楽しみになります。

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