フランスの名ソプラノ歌手、パトリシア・プティボンが本作のテーマにしたのは「愛」「死」そして「神秘の海」。プティボンはこれらのキーワードにまつわる歌曲を時空もジャンルの壁も超えてセレクトした。母国のフォーレ、サティ、プーランク、Jean Cras、スペインのグラナドス、米国のSamuel Barber、そしてジョン・レノンのナンバーまでを多彩な表現で歌い上げている。Nicolas Bacriの"All Through Eternity"では深く艶やかな歌声、Robert Baksaの"Heart! We Will Forget Him"では心の奥からこみあげるような悲しみが伝わる。また、レノンの"Oh My Love"ではシンプルなメロディが持つ美しさを描き出し、甘くほろ苦い"Danny Boy"はイリヤンパイプスや波の音とともにリスナーを静かな海辺へといざなう。そして、そのプティボンの歌唱を、Susan Manoffの素晴らしいピアノとDavid Venitucciの絶妙なアコーディオンがサポートしている。