

クラシックピアニストだけにとどまらない清塚信也の多彩な才能が、ラジオ番組風のアルバムとして結実した。清塚はモスクワ音楽院に学び、国内外の数々のコンクールで優勝。海外のオーケストラとも共演するなど、高い素養を備えたクラシックピアニストとして活躍している。その一方で彼は、メディア出演などを通じてクラシック音楽の魅力を分かりやすい形で伝える役割も積極的に果たしてきた。本作『KIYO-LOGUE』は、そんな清塚のコンサートでも人気を博しているトークと、技巧的かつ情感豊かな表現にあふれた演奏でつづられる、彼ならではのアルバムとなっている。プログラムは、バッハとスカルラッティ、シューマンとブラームス、ショパンとリストなど、偉大な作曲家たち同士の関係や人間性を垣間見られる興味深いトークの前後に、それぞれの作曲家の楽曲が奏でられる、というもの。曲は、バッハによる『前奏曲とフーガ BWV 847』の「プレリュード」から、シューマンの夢見るような「トロイメライ」、リストによる『愛の夢』の「第3番」、そして「わびさびの効いた和風な何かを感じる」と清塚がApple Musicに語るドビュッシーの「月の光」まで、魅惑的で親しみやすい作品ばかりだ。クラシック音楽を長年聴いてきたファンにとっても楽しめる内容であり、その世界にこれから足を踏み入れるというリスナーにもうってつけのアルバム。