Jóhannsson: Drone Mass

『Drone Mass』は、2015年に初演されたアイスランドのJóhann Jóhannssonによる作品。2018年に48歳という若さで逝去したこの作曲家を悼み、今回の録音が実現した。声楽、弦楽四重奏、エレクトロニクスのために書かれたこの作品について、生前Jóhannssonは“現代のオラトリオ”であると説明していた。テキストにはエジプト人のコプト福音書が用いられ、Jóhannssonならではの魅力的なドローンミュージックによって古代的でありながらきわめて現代的な響きをもつのが特徴で、アルヴォ・ペルトと同様の音世界も感じさせる。『Drone Mass』では、穏やかな諦観の景色がゆっくりとフィナーレへと向かう魅惑的な音楽体験が味わえる。委嘱したAmerican Contemporaly Music Ensembleと、ポール・ヒリヤー率いる卓越した合唱団シアター・オブ・ヴォイセズの熱演も印象的だ。

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