

マイルス・デイヴィス・グループや、チャールズ・ミンガス、ハービー・ハンコックのもとでの活躍で、ジャズ界ではすでに大御所とされるジョン・スコフィールド。そんな彼も、2000年前後からはメデスキ、マーティン・アンド・ウッドとの共演をきっかけに、いわゆるジャム・バンド系の若手との演奏も増え、純粋なジャズファン以外のリスナーも獲得しつつある。その結果、作風の自由度にも拍車がかかっており、ゆえに新作が出るたびに何が飛び出すのか期待されもするのだが、本作「Piety Street」は、ブルースとゴスペルにどっぷり漬かった一枚だ。ジョン・スコフィールドのブルース好きは今に始まったわけではなく、グラマヴィジョン時代にもミーターズのカバーをはじめ、ことあるごとにファンク風の楽曲を発表してきてはいたが、ここまでストレートにブルースとゴスペルに取り組んだ作品は初めてだろう。この意欲作は、ミーターズ出身のベーシストであるジョージ・ポーター・jr.と、ボニー・レイットのバンドメンバーとしての活動でも知られるジョン・クリアリーがプロデュースとキーボードでがっちりとバックアップ。アルバムの大半をヴォーカル曲が占めるなど、歳を重ねるごとに大胆になっていく彼の動きは要注意だ。