Innervisions

Innervisions

クリエイティビティとポップセンス、そして社会性のバランスが奇跡的に結びついた傑作中の傑作。前作『Talking Book』に残っていたスタンダードなソウルミュージックの意匠は控えめに、次作『Fulfillingness' First Finale』を経て『Songs In The Key Of Life』で花開く、プログレッシブかつアグレッシブな作風への橋渡しとなるアルバム。前作同様、プログラマー/エンジニアのMalcolm CecilとRobert Margouleffの2人を共同プロデュースに迎え、スティーヴィー・ワンダー1人による多重録音曲もちりばめて、恐ろしいほどの創作意欲の高さを見せつけた充実作だ。ドラッグ問題を扱ったオープニングの「トゥー・ハイ」をはじめとして全体的にメッセージ色の強いシリアスなテーマを扱いながら、「ハイアー・グラウンド」やヘヴィなファンクリズムの中、霧が晴れるようなシンセサイザーの間奏が印象に残る「汚れた街」、そしてラテン調のアレンジとポジティブなスティーヴィー・ワンダー節に背中を押される「くよくよするなよ」、さらにラストには充実した聴後感をリスナーに与える「いつわり」といった粒ぞろいの曲に舌鼓を打つ。

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