

ピアニスト/作曲家のハニャ・ラニとチェリストのDobrawa Czocherは初の全曲オリジナルによるこのアルバムで、魅惑的で独創的なサウンドスケープの創造に挑んだ。その結果、それぞれにユニークな個性と質感を輝かせるすべての楽曲が、非常に美しく仕上げられている。冒頭を飾る穏やかな「Ouverture」では、増幅するデジタルエフェクトに囲まれたCzocherのチェロが、ほの暗い音世界の中から呼びかけてくる。シンフォニックな広がりと躍動するリズムを併せ持つ「There Will Be Hope」は楽曲の最後で長調へと帰結し、慰めと心地よさをもたらす。大胆にもたった一台のピアノのモチーフをひたすら展開していく「Demons」はジャズ的なインプロビゼーションをメインにした楽曲で、リスナーをうっとりするような8分間の音楽旅行へといざなう。一方、東洋的な香りが漂う「Malasana」からはレディオヘッドの影響も感じ取ることができる。そしてアルバム『Inner Symphonies』は、きらびやかな「Spring」の希望と明るい予感にあふれたサウンドで幕を閉じる。